さようならのとき
- ナノ -


さようならのとき

つよくねがえば かなわないのぞみなどないという
けれどもせかいには
どんなにねがっても かなわないことがあったのだ
つよくねがえば どんなことでもかなうとおもっていた
そんなわたしは それがげんそうであるとしった
それはあたりまえのことで
このせかいにいきるだれもが
そんなこと とっくにしっていたのだとおもう
わたしはどうして
いままでしんじてうたがわなかったのだろう
かなわないのぞみなどないと
おもいはかならずつうじるのだと

そらをみあげて
そこには ただあおいそらだけがあって
どこまでもひろがる
なにも たしかなものはないのだというように
はてしなくあおいそらが
どこまでもつづいてゆく

せかいには あきらめるしかないこともある
どれほどてをのばしても けっしてとどかないものもある
だれもがきっと そんなものをかかえていきているのだと
じぶんじしんに いいきかせて
わたしは ひとつのねがいにせをむける
それでも
それでも
かなしくなったら ないてもいいですか
わたしのかこにおいてきた
うつくしいけれど はかないねがいのために
なみだをながしても いいですか




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