- ナノ -


759

 やあ、また会ったね。竜が振り返ると、人間が片手を挙げてこちらにやってくるところだった。どうも気が合うようだな、と竜。そうだね、と人間も笑った。
 彼は街から街を旅している。不思議なことに、その先々でばったり会うので、いつしか彼と竜はすっかり顔見知りになってしまった。互いの近況などを話し、また次の街で、と別れた。


[