慣れるのなら
2017/03/18 21:52
ひとはたいていのことには慣れてしまう。
「ありがとう」を言えなかったことにも。
「すき」を言えなかったことにも。
「ごめんなさい」を言えなかったことにも。
「たすけて」を言えなかったことにも。
"どうせ、また。
いつものように、後悔するだけだ。
いつものことだ。
いつものように、伝えないだけだ。
だからこれでいい。
これでいいんだ。"
照れくさくて、言えない。
恥ずかしくて、言えない。
勇気がなくて、言えない。
……迷惑かも、なんて思って、言えない。
同じ、慣れるのなら。
あたたかな思いを感じたときには、「ありがとう」と。
すてきな誰かや何かに出会えたときには、「すき」と。
至らない自分の行いで失われたものがあるときには、「ごめんなさい」と。
ひとりでは生きていけないことに気づけたときには、「たすけて」と。
素直な気持ちをまっすぐことばにすることにこそ、慣れたい。
思いは、往々にして届かない。
だが、それでも、
どうせ、などと、はじめから伝えることを放棄せずに。
素直な気持ちをまっすぐことばにできるひとにこそ、私はなりたい。
たとえ、いまはうまくいかなくとも。
いつか、必ず。
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