歩く
2022/02/13 21:44
歩いてゆくのだろう。
真っ暗な闇に包まれていても。
道が細く険しかったとしても。
歩いてゆくのだろう。
鉛のように重い身体を引きずっても。
泥だらけで前さえよく見えなくても。
ひとつの、たったひとつの命を、
懸けるに値するものがあるから。
祈りに似た、願いのその果てに、
大切だと思えるものがあるから。
歩いてゆくのだろう。
凍えるような寒さの中にいても。
焼けつくような痛みに耐えても。
それでもなお、歩いてゆくのだろう。
一歩を積み重ねたその先にある、
一筋の静かなかがやきを信じて。
prev | next
コメント
前はありません | 次はありません