やわらかな匂い(土門と円堂)


「土門ってなんかいい匂いがする」

「は?」

ふ、と、右下に目をやると声の主は鼻を近づけてすんすんと鳴らしている
なんか犬みたいだなこいつ
それも子犬、豆柴とか。

「うーん…?」
しばらくの間すんすんしていた豆柴…もとい円堂が唸った

「…どしたの、円堂」

「なんかこう…ふわっといい匂いがしたんだよ。追っかけてみたら土門がいたからさ、つい」
「匂い?」

言われて自分でも嗅いでみる。
今は練習終わって後片付けの最中
…やたら動いたから汗の匂いくらいしかしないような……ん?

「……あー…こりゃ柔軟剤だな」
「柔軟剤?」


微かにふわっとした柔らかい匂いがした
最近使い始めたやつだっけ。


「こんなのがあるのかー、すんげぇいい匂い!」
匂いの元が判ったからか、円堂はキャッキャとはしゃぎだした
「お前は子供か!…そんなにいいのか?これ」
「おう!なんかふわってして暖かい匂いだよなー」


そうしてふわっと笑う円堂に、ドキッとした



「じゃあ、ほら、」
俺はばっと手を拡げて円堂の前に立ってみせる

「…??」


それから満面の笑みで

「好きなだけ嗅げよ、キャプテン」





「!…………ばっっ!!」
理解したらしい
円堂の顔が真っ赤だ

「ば…ばかいうな土門!!それは恥ずかしいって!!!」

さっき堂々と匂い嗅いでたのは恥ずかしくなかったんですか円堂さん


「…でも俺ん家明日から使わねーかもだし、たしかもう使い切っちゃったと思うから(嘘だけど)」

そう言うと円堂はまたもうーんと唸り
それから廻りをキョロキョロして


「…絶対言うなよ?絶対!」
「わかったわかったって」
「じゃあ…」

ゆっくりと傍に寄ってきた

「むはー…いい匂い…」

またも犬みたいにすんすんしてる円堂
顔だけ近づけて不自然な格好になっている
思わず笑ってしまう

「それじゃ腰痛めちゃうだろ、ほら」
とん、っと背中を押したら円堂は不意をつかれたらしく、バランスを崩して「あぶっ!」とか面白い声出して俺の胸にぶつかった


「わ、わり、力強すぎたか」
「…どもん、いたい…」
鼻を抑え涙目になりながらながら睨まれた

「はは、悪かったって。…でもこれでもっと嗅げるだろ?」
「…………そーだけ、ど」

頭を撫でながら宥めて、未だ真っ赤な円堂をちゃっかり抱きしめる

「皆部室に戻っちゃって居ないしさ、遠慮すんな」


だから、
「思う存分甘えてくれ、円堂」
「………ん。」





それにしても円堂が匂いにこんなに敏感だとは知らなかった
なんか新しい発見、ちょっと嬉しいかもd「土門、何してるんだい?」
「「!!!!!??」」

「……ぃ…一之瀬…っ」
「遅いと思って来てみたら……抜け駆け(笑)はゆるさないよ(笑)」


…(笑)とかつけといて顔が全然笑ってないです一之瀬さん…



(だけどこのこは渡しません。)



かんりにんは どもんさんが だいすきなんだ!

匂いフェチなばっかりに書いた突発
円堂さん匂いフェチな設定にさせてしまった…反省はしてません


いっちーと秋ちゃんと土門でアメリカ組サンドおいしいです^^
がっきーは生温い感じで見守ってくれてるはずです


(091209)




[*mae] | [tugi#]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -