さむいひのはなし(南雲と円堂/高校生)


キィ

「おつかれさまでしたー」

バタン


「……ふ、ぁーあ………っと」

午後10時、バイト終了。
未成年はあんまし遅くまで居ちゃいけないとかで(風営法がどうのこうのっていう)

特に居座る理由もなかったのでさっさとあがって帰ることにした。
っと、その前に

「…コンビニ寄るか」

腹も減ったし寒い
家に帰ればなにかしらあるだろうけど帰るまで我慢出来ねぇなこりゃ

そう思いながら裏口に停めてたマウンテンバイクをひいて通りに出ようとした


「晴矢っ」

名前を呼ばれた
聞き覚えのありすぎな声だった


「……なにしてんだよ、守」
「特訓の帰り。ここ通りかかったから居るかなって」

そういってにかっと笑った

「つーかこのくそ寒い中待ってたのかよ、馬鹿」
「馬鹿ってなんだよ!俺は鍛えられてるからへーき!」

握り拳を作ってシュッと前に出す
袖の中に手入れながらやられても説得力ねーだろ
思わずプッと吹き出してしまった

「はっ…馬鹿は風邪ひかねーもんな」
「馬鹿って言ったやつも馬鹿なんだ。だからお前も風邪なんかひかないだろ!」
「あ゛?」

言い返されてむかついたんで頭ぐしゃぐしゃにしてやろうかと思ったけど守はいつの間にか走ってコンビニに入ってしまった

「待てよ!…俺も行くっつの!!」






そうして肉まんと暖かいお茶を買って気づいたら鉄塔広場に来ていた

「つーかお前戻ってきてんじゃん!」
「ん?俺はべつに気にしない!ここ好きだし」
またにかっと笑った

「……まぁいいけど」
なんでかこいつが笑うと言い返せない


あれから俺達は高校生になった
俺の方は部活とバイトの毎日
なんだかんだで忙しいんだと思う


守とは別の高校に進学した
同じ高校で一緒に戦うよりそっちを選んだ

結局俺はこいつに勝てなかったし、勝ちたい
色んな意味で

「そういやさ、」
唐突に切り出してきた

「なんだよ」
「晴矢はなんでバイトしてんだ?」
…本当に唐突だな

「貯金だよ、色々と。
…俺、卒業したら家出るつもりだし」
「そーなの?!」
すげぇなお前!と守は続けて言った


「べ…別にすごかねぇよっ、…卒業してからもサッカーやりたいし当然だろ」
「…ちゃんと考えてんだなーおまえも」

どういう意味だコラ


「なんか俺…そういうこと考えたことなかった。皆とずっとサッカー出来ればいいって思ってた」


「…………そっか」
こういうこと心から言えるのもこいつの長所なんだろうな。
どこまで真っ直ぐなんだか
俺はすっかり冷めてしまったお茶を流し込み、

「じゃあ、さ


…俺と一緒に来れば?」
「え?」

顔が熱い。
俺から言っといて何だが。

守は俺の方見てぽかんとなってるし、口開けすぎだろ。


「そ…卒業したら俺と一緒に来りゃいいんじゃないのってこと!!」
そのまま勢いで言ってしまった


守はしばらくうーんと唸って
「…俺この街が好きだから、離れるのは嫌だ…」

「…だよ、な」
暫く間が開く



「でも、」

袖を掴まれおもわずどきっとしてしまった




「お前と一緒なら、きっと楽しい」

今度は照れ臭そうに、そしてまたにかっと笑って言った



「……それは反則だろ、おまえ…」
「へっ?」



(気がついたら、腕のなかに)


「どーした?寒いか?」
「……なんでもねぇ!」






初めての文は南雲さんでした。\^o^/バーンバーン
なんか最近ときめくんだがこのふたり…!!!

なぐもんのバイトはピザ屋とかガソスタが合いそう

キャラ定まってないのは仕様です^^

(091209*微修正)




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