無事、京都についた私たちは各班に別れて行動することになった。 私たちはとりあえず壬生寺に行くことになった。
「へー、ここが壬生寺ぁ」 「新撰組で有名なとこだろ?」 「え、なに高杉知ってんの?」 「そんくらい知ってらァ」 「意外に頭いいのかもね、アンタ」
すっごく意外。高杉はバカだと思ってたけど結構頭よさそう。 壬生寺に来たいって言ったのは私で、新撰組ファンが詰め寄る場所。 結構、新撰組好きなんだよなぁぁぁ。 沖田くんも沖田総司と名前似てるけど、なんか全然違うし。土方くんも。
「だって俺ァ、沖田総司がモデルなんですぜ?」 「ちょっ、モデルとか言っちゃダメでしょ。禁句だよ、タブーだよ」 「読心術に関してはつっこまねェのか」 「凛、凛!こっちで羽織が着れるネ!」 「マジでかァァァ!」
羽織、一回でいいから着てみたかったんだよー。 きっと、高杉と沖田くんも着たら似合いそうだしね。神楽ちゃんも絶対可愛いから。 絶対着てくれ。頼むから。
「私も着たいアル」 「じゃあ写真を撮らせてくれ」 「キモいアル。しばらく私に近づかないで」 「標準語ォォォ!」
さらりと標準語でとげのあること言ったよ、この子!結構私傷ついたよ!? 私のガラスのハートがパリーンだよ、パリーン!
「おおおお、沖田くんンンン!?」
やべっ、惚れそう。惚れないけど。 羽織を着た沖田くんがかっこよすぎて、思わず見とれてしまった。 隣で神楽ちゃんが何も喋らないのを見ると、ああきっと見とれてるんだろーなぁと思った。
「神楽ちゃん、見とれてるの?」 「み、みみみっ見とれてなんか、ななななないネ。誰があんなサド野郎に見とれ…っ」 「あのさぁ、神楽ちゃんて沖田くんのことどう思ってるワケよ。知りたいのだけれども」 「し、知らないアル!うるさいアル!近寄るな、バカ凛!」
きゃ、きゃわゆいっ!ちょっ、なにこの子きゃわゆいよォ! 顔真っ赤にして否定する神楽ちゃんが可愛くて仕方ない。 これなら沖田くんが惚れるのも分かった気がする。
「そういう凛は高杉に見とれてんじゃないアルか」 「み、みみみっ見とれてなんか、ななななないからァ!誰があんな鬼みたいな奴に見とれ…っ」 「凛は高杉のことどう思ってるアルか?知りたいネ」 「し、知らない!分かんない!私が好きなのは神楽ちゃんだけだからァ!」 「……キモい。でも…、高杉の気持ちがちょっと分かった気がするネ」 「へ?」
どういうことかちょっとよく分からなかったけど、それ以上問いただしても答えてくれなかったからもう聞くのはやめた。諦めた。 それくらい聞かなくったって別にどーってことないし。大丈夫だから、ねっ!
私たちも羽織を着て、四人で写真を撮ることになった。 カメラマンさんが目の前に立ってて、それでも後ろから私の首を絞める高杉。死ね。
「くるじゅ…」 「はーい、笑顔でお願いしまーす!」
いや、笑顔作れないからァァア!首絞めたまま笑顔作るってどういうこと!? 多分、深津○里でもムリだと思うゥウ!深津絵○にできないことを私にやれってかァァア!? ムリだから、それ!絶対ムリだからァ!
「はい、チーズッ」
チーズじゃねェよ!ばた子さんがバタバタするからァア! 首絞められたままじゃ、アンパンマンに顔を投げることすら、出来ませんけどねェ!?
お金を払って写真を見てみたら、……最悪。 もう最悪という言葉がぴったりなくらい最悪。 私の顔、もうホラーだから。ホラー以外のなんでもないから。
「お前ひでェ顔してんなァ」 「誰のせいだと思ってんじゃァ!」 「え、元々じゃね?」 「沖田ァア!お前は一度本当に死ぬ必要がある!一回死んでくれ、マジで」 「嫌でィ」 「ふっざけんな、死ねコノヤロー!」
でも、まあ…この写真も思い出にとっておこう。 ……顔、酷いけど。
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