>>families 1/6




「聞いたか?近々あの人が仕事終えて江戸に戻ってくるらしいよ」
「先生だろ、荷物の方が先立って屯所に続々届いてるってよ。なんか上物の刀剣とかも手に入れてきたらしくて上の連中が取り合ってるって話だ」
「ねーねー、先生って誰?」
「うわっ紅葉さん!!びっくりさせないでくださいよ」
「ははっごめんごめん」


隊士達が縁側で話してたから、私もそこに混ぜてもらうことにした。
先生って誰だ?知らないよ、私。


「いいなァ俺もほしいなーオニューの刀」
「刀なんて全部同じでしょ」
「ゴホン」


私達が話してると後ろから声が聞こえた。


「あっ山崎さん…あ゛あ゛あ゛あ゛!!ひょっとしてその刀は…長船M−?!?」


ジミーか。ってゆーか、何M-?って!!刀にそんなんあったの!?しかもジミー何頬赤く染めてんだよ、気持ち悪ィ


「スゲー!!ブランドもんだ!!カッケー!!」
「あの俺別に自慢しに来た訳じゃないからたまたま通っただけだからたまたま…」
「いいな〜今渋谷界隈のオシャレ侍はみんな長船らしいッスよ!!最先端ッスよ!!ちょっと!ちょっとだけ素振りさせてください!」


オシャレ侍って何!?


「ああ!やっぱ違うわブランドもんは!!」
「何が違うの」


私にゃよく分からんよ。


「しかも防水加工らしいよなんか別に自慢してるわけじゃないけど…」


完璧自慢だろ!!絶対自慢だろーが!!


「おーい何を騒いでるんでィてめーら」
「あ、沖田隊長」


総悟が来た。風船ガム食ってる。


「見てくださいよ山崎さんのか…ん。あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛その刀は…菊一文字RX-7!!」


だから何!!RX-7って!!そこになんの意味が込められているの!?


「デジタル音楽プレイヤー搭載で連続再生時間最大124時間にも及ぶ大技物…菊一文字RX-7!!」


刀にそんな機能いるの!?いらなくね!?
音楽プレイヤーなら音楽プレイヤーで買えよ!


「長船の倍の値段だよ、さすが隊長格はさしてる得物も違う!!」
「あーコレそんなスゴイんだ適当にもらってきたから知らなかった。アレ?その棒?山崎何買ったの?その腐りかけの棒」


コイツ自慢してやがるゥゥ!!腹立つなーなんか。


「隊長ちょっとだけ素振りさせてください!」


隊士はそう言って素振りをする。


「うおおお!やっぱ違うは一級品は!音が全然違うもん!!重低音がスゴイ!」
「オイなんだ?やかましいな、朝から騒々しいぞ」


ガララと襖が開いて近藤さんが顔を出した。


「局長ォ!!すいませんあの…!!あ゛あ゛あ゛あ゛その刀は…虎鉄Z-?」


もう突っ込まない、もういいや。


「デジタル音楽機器としての機能は勿論、柄に特殊金具を装着することにより部屋を掃除するコロコロとしても使える大業物!!虎鉄Z-?だ!!」


いや、だからさ、コロコロはコロコロで買えよ。刀にそんな機能いらねーだろ。


「菊一文字の3倍はするぜ…スゲェ…」
「おめーらそんな安い刀使ってんのか?刀は武士の魂だそんなヒョロいもん使ってるなんざてめーらの魂もしれたもんだな」
「スゲーや近藤さんかなわねーや俺達も頑張ってアレ位の業物もてるようになんねーとな、近藤さんちょっとだけ素振りさせてもらってもいいですかね」
「ん、別にいいけど」
「ふん!」


総悟が虎鉄なんとかで岩を斬ろうとしたら、虎鉄なんとかが折れた。


「虎鉄ゥゥゥ!!」
「あ、すいやせんこれなら岩も両断できると思ったんですけど駄目でした」


駄目に決まってんだろーがァァァ!


「オメェェェェ絶対ワザとだろ!俺の虎鉄ちゃんに嫉妬して…」
「うるさいな、もう…」





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