黙っていれば、1/2
「やっぱり、ここだったんですね!」
うるさいのが来た。
そう思いながら僕は目をあける。
目の前には案の定想像した通りの人物。
後ろでひとつにまとめた長い髪は風になびいてサラサラと揺れている。
僕の顔を覗き込んでいるのは綺麗な瞳。
黙っていれば、可愛いのだろうが・・・。
「雲雀先輩っ!今日こそは!!」
そう言って、彼女は、封筒を差し出す。
「・・・だから、何度来たって無駄だよ」
差し出されたそれをちらりと見て、小さくため息をつく。
「僕は・・・決闘なんてするつもりはない」
そう、黙っていれば可愛いのだ。
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bkm
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