短編たち | ナノ
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「えー、もう帰っちゃうのお?」
「今日こそナミを探しに行くんだ!!」
「ふうん。波ちゃんは修ちゃんに会ってくれないと思うんだけどなあ」
それに波ちゃんは親衛隊隊長のチワワと仲良くやってるんでしょ。
ぷぅ、と頬を膨らました俺を見て修ちゃんはニシシ、と笑った。
「葉太もさ、はやく好きなひとつくれよな!」
「…うるさいなぁ」
最近修ちゃんは俺の部屋とか、仲良しの不良の部屋とか爽やかくんの部屋とかに引っ張りだこだ。あれ?そういやカイチョーはどーしてるんだろ。修ちゃんは会ってんのかなぁ。
最近見てないなぁ。
セフレを全部切った今、さみしがり屋な俺は修ちゃんと部屋でのんびり過ごすことが日課なんだよね。
生徒会室行きたいけど波ちゃんは親衛隊隊長といちゃいちゃしてるらしいし、そもそも帰って来いって言われないし、
もー、俺は拗ねてるんだからね!
すばやく身支度を終えた修ちゃんは元気よく部屋を飛び出していった。
好きなひと、ねぇ。
たしかに修ちゃん楽しそうだもんねぇ。
ふぁぁ、と欠伸をしながらもう一度ソファに転がった。
そろそろ生徒会のみんなに会いたいなぁ。
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「全く葉太は甘えん坊だよな本当」
じゃれつくように首筋にキスマークまで付けられたぞ。ほんとどうしようもないな!!
あーぁ、ナミに会いたいな!
あのサラサラの髪とか薄くてえろい唇とか、何よりも目!冷たい目!たっまんないよな!
あとナミって細身なのに筋肉ちゃんとついててえろいっていうか、ナミのこと考えるとムラムラしてくるんだよな!
「あー!ナミに会いたい!!…っ、うお?!」
ナミの部屋のインターホンを鳴らして所在を確認するのが日課なんだが、今日はなにか様子が違う!
ドアが開いて、その隙間から足がニュッと突き出してるのが見える!
「え!?なんだなんだ!?」
やった!いまなら役員専用フロアの廊下は俺以外誰もいない!そして開いてるのはナミの部屋のドアで、俺の目によると飛び出してる脚はナミのだ!うっひょー!!やったぞ!!
急いで駆け寄って、ドアの中を確認する。
「ナミ?、ナミ??こんなところで寝たら風邪ひくんだぞ!!」
「ん、んう……」
なんだナミったら力尽きて寝ちゃってるのか!!かわいいな!!えろいな!!!
玄関ですやすや眠っているナミは、いつもより色白い。とりあえず起こすのはあとにして、いまを楽しむのが男の嗜みってやつだよな!!!
ナミの体を引っ張ってナミの部屋の中に入れ、とりあえずドアを閉める。
スーハースーハーと深呼吸してナミの部屋の匂いを肺いっぱいに詰め込んだうわあ最高!!!
というかここまでズルズルしても起きないってことはあれか!?ナミが照れ屋さんで、なかなか本音を言えなくて、実は俺に好きにされたいってことなのか!?
す き に し てってやつなのか!?!?
綺麗な顔に眉を寄せて、何度か唸っているナミ。顔にパラリとかかった髪を払って、じっくり覗き込んだ。
出会ったときからこの綺麗な顔に一目惚れだったんだ!!
「ナミ…!」
硬い床でこんなこと、よくないよな!
でもごめんな!!我慢は禁物だ!!
床を背に目を閉じたナミの顔の横に手をついた。まるで俺がナミを襲ってるみたいだ!!イケないことみたいに感じてますますムラムラするぞ!!
「ナミ、好きだ!」
薄い唇にそっと、自分の唇を寄せた。
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