御幸と夏祭り




※御幸、ヒロイン共に3年生で甲子園で優勝しています



「ねーらーいーうちーっ」

この夏、どれだけこの歌を歌っただろうか。
昨日、甲子園での試合が全て終わった。
3年間、本当にいろんなことがあった。
けど、それが昨日本当に報われたんだ。
優勝。することが出来たんだ。


「奏架ちゃん?さっきからその歌口ずさみすぎじゃない?」
「一也がこの夏打席に立つたびに歌ってたんだもん。頭のなかでこの歌グルグルまわってるよ。」
「実は俺も。
奏架。2年半、俺についてきてくれてありがとな。
全然遊びに行けなかったしよ、彼氏らしいことしてやれなかったし。」

一也は下を向いてポツリポツリと言う。
正直一也ってそうゆうことに対して疎いしあんまり考えてくれてないと思ってたからなんだかほんとうに嬉しい。

「ってことでよ、明後日。祭り行くか?
倉持の地元であるらしくてさ。
連れてってやれ、って。」

倉持の地元。
すなわち私の地元。
いわゆる私と倉持は幼馴染というやつだ。元々は倉持を追っかけて青道にきたわけだし。何故か今は一也の彼女。っていうポジションなわけだけど。
まあでも、祭りに行く気になったのは倉持のおかげだとしてもうれしいのは確かだ。
おもわず顔がにやけるのが自分でもわかる。

「いく!お母さんに頼んで
浴衣だしてもらっておくね!」






そしてそんなこんなでお祭り当日。
私は浴衣をきて普段後ろで一つにしか束ねない髪の毛をアップにして隣には一也。目の前には3年ぶりくらいにくる地元のお祭り。
そこまではよかった。
うん。

「今さ、なんか見知った顔あったんだけどさ。
気のせいだよな?ここってお前と倉持の地元だよな?
俺の地元じゃねぇよな?」
「うん。私と倉持の地元。
私もなんか見えたよ。綿あめとりんご飴とカキ氷抱えた男の子。」
「だよな。」
「うん。」

どうやら私たちはまんまと倉持の策にはまっていたらしい。
どうしよう。さっき、浴衣で一也にあってすぐキスされたのに。
もしそこからヤツらが近くにいたならきっと。いや、絶対見られている。

「まあ、今日は楽しもうぜ。
見られても減るもんじゃないし。
カキ氷くうか?」
「食べる!!!
あ、でもカキ氷はやっぱり花火見ながらだよね。
違うのにする。」
「だったら歩くか。
足、大丈夫か?」
「大丈夫。痛くなったらちゃんというし
絆創膏ももってきてるから。

あ!ねぇ一也!金魚すくいしよ!
もって帰ったら寮の水槽に足そうよ!」

「お、じゃあ勝負な!
多かったほうがイチゴ飴おごるってことで!」
「おっけ!私以外と上手いんだからね!」


そういって始まった金魚すくい勝負。
結果は私の方が1匹多くて勝ち。
イチゴ飴も奢ってもらってルンルンだ。

「イチゴ飴でテンション上がるとかチョロいな」
「負け惜しみにしか聞こえませんな、キャプテーン」
「うざ」
「ガキっ!」
「帰ったら覚えとけよ」
「ん?何のことですかキャプテン」
「ごめんなさいは?」
「こめんなさい」

んー、なんだか不服だけどまあ今日は私が折れてもいいか。


そしてその後も射的をしたりして、
花火の時間が近づく。

「そろそろカキ氷買って場所取りするか。」
「だね。
私ブルーハワイ!」
「じゃあ俺メロンにするからちょっとそっち頂戴」
「ん。おっけ。」




「はいよ、奏架の。」
「ありがと。そろそろ始まりそうだね〜!」
「ここの花火何発ぐらい上がる感じなの?」
「え。どうなんだろ?
分かんないや。」
「そういや奏架、この祭りに『ヒュ〜〜〜〜〜〜。パァァァン』」
「あ!花火!!上がったよ!!
てか一也なんかいった?」
「別に対したことじゃないから!

奏架!好きだよ。」

そう言って本日2度目のキス。

「メロンとブルーハワイの味だっ」








(御幸と夏祭り)
御幸と夏祭り。友達カップルで。
ということだったので甘くはなかったはずです笑
最後もキスの感想がカキ氷の味。というなんとも色気のない感想で。笑
そして、きっとその光景をみてた他の部員達はブーイングだったと思います。笑



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