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「鳴!鳴!
私、カーブおぼえるね !
鳴はどうする??」
あれから一週間。変化球の話なんてあれっきり無かったから2人とも諦めたのかと思えば 奏架はいろいろ調べてたみたいで。
「え〜?俺はね〜!
チェンジアップ!!」
「それは無理だよ鳴!難しいよ?
てゆうか中学生でチェンジアップなんて無理だって!
奏哉もそう思うでしょ?」
「でも俺やるもんね!
奏架に負けてらんねぇし!」
「む、それは嫌みかな?
てゆうか奏哉も本ばっかり読んでないで話に参加してよね!」
「あー、うん。ちょっと待って。」
今日は練習が休みで朝から鳴がうちに来てる。
そんなときはいつも 奏架と鳴が遊んでて俺はまあ今みたいに本読んでたり寝てたり。
自分で言うのも何だけどマイペースに過ごしてる。
「で、なんだっけ?
鳴のチェンジアップ?やめときなよ。」
「ほら!奏哉もそう言ってるしカーブとかにしとくべきだって!
自分のレベルにあった変化球にしないと!!」
「えー、なんでだよ奏哉〜」
「高校で敵になったとき厄介だから。」
別にこの言葉に悪意を込めたつもりもなんでもないけど鳴はなにやら気に入らなかったようで。
「なんでそんなこと言うんだよ!
奏哉と 奏架は俺とおんなじところ行くんだからな!そんで色んなとこから強いやつ集めてすんごいチーム作るんだ!」
「や、そんな深い意味じゃなかったんだけど。
ただもしもの話しただけで。ていうかそんな話はじめて聞いたけど。 奏架知ってた?」
「…」
「 奏架?」
「う、ん。
私もはじめて聞いた!
でも鳴しっかりしてよね〜!おんなじ高校行っても私野球出来ないんだよ〜?意味ないって!」
「あ、そっか! 奏架女だもんな!
でもマネージャーになったらできんじゃん!」
「だーから、プレイできないって意味!
それよりそろそろおひるごはん作らないとお腹すくよね!チャーハンでいい?」
「おう!」
「奏哉も?」
「うん。俺もそれでいいよ。」
そして 奏架が部屋を出ていったのを確認する。
「奏哉?」
「なぁ、鳴。
今なんかあいつ変じゃなかった?」
「そう?普通じゃない?」
「そうかなぁ。なんか、おかしかったような気、するんだけど。」
「気のせいだって!」
そう鳴はいうけどなんか、変だったような気するんだよな…。
(敵になったとき厄介だから。)
これが今の現状だよなー…。
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