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午後練習。
今日は降谷君は外野組にまざって外野ノック。
沢村くんはクリス先輩が何か考えあるみたいで今日は任せることにした。
でもまあ降谷君はセンスの塊だな…。
返球をみてつくづく思う。それに打つ方も凄いからな。スタミナが心配だけど外野もできるならあの長打力だって使うことも出来るしこの夏は間違いなく戦力の内の1人だろうな。

「柏木。外野組バッティング。」
先輩がノック中の私に声をかける。
「あ、はい!分かりました!」
「汗すごいぞ。先にちゃんとタオルで拭いてこい。水分補給もして。あいつらには俺から移動するように言うから」
「いや、でも、選手より先に休むわけには…」
「選手は試合中水分補給なんて頻繁にできねぇだろ?それにお前は女なんだからちゃんとそういうのはしとけ!」
「はい…。すいません…」
選手達には悪いと思いつつも少し水分補給。
きっと1年の始めに暑さに耐えられなくてフラついたりしてたから声かけてくれるんだろうな。私に気使わせちゃダメなのに。その分チームに貢献しないとね!よし!





「降谷君!腰いれて!全然前に飛んでない!いくら長打力あっても腰入れて打たないなら意味ないよ!」
「はい…
(てゆーかマウンド〜)」
バッティング練習に変わるも依然疲れはたまっているようで。上級生達はまだまだピンピンしてるんだけどな…。まあたぶん今ヘトヘトになってるのは降谷君だけじゃなく他の1年2人もなんだろうけど…。
「よし!あと少し!これ終わったら休憩して夜練だからね!」
「…」
「返事。」
「はい…」





「ハッハッハ、降谷も 奏架にやられたか〜」
「も?」
休憩時間、昨日と同様、和気藹々とした感じでおにぎりを食べる。
「俺らも去年やられたからな!まあ去年は寝泊まりしてなかったし普通のマネージャーとしての役割しかしてなかったけどそれでも口だけは凄かったからな…」
「御幸?どういう意味かな?」
「ヒャハハ!そのまんまだろ!」
「倉持くん?」
ったくもう。変なこと降谷君に吹き込まなくていいのに…。
「御幸。柏木。」
話をしていると後ろからクリス先輩と宮内先輩が。
「今日、練習が終わったら監督が来るようにと。たぶん投手陣の事だろう」
「わかりました。ランニング終わってすぐですか?」
「ああ。」
「わかりました。行きます。」
でも最近、丹波さん、宮内先輩にばっかり受けてもらってるよね…。何かあるのかな…。








「どうだ?1年の投手2人は…
そろそろ疲れがたまってくる頃だろう」
監督に呼ばれた私たちは案の定投手陣の話をされて。
「はい、降谷くんも大分バテてますし。」
「監督の指示通り合宿になれるまではピッチングを差せてません。」
「クリス先輩と話していたんですが、そろそろブルペンやシートノックで投げさせようかと。」
今回の合宿では私とクリス先輩で1年2人を。
「丹波と川上は?」
「順調です!」
宮内先輩と一也で丹波さんとノリくんを。
「合宿最後の土日は練習試合を3つ組んである。
土曜日は降谷と沢村で1試合。
日曜日のダブルヘッダーは丹波と川上に1試合ずつ投げ抜いてもらう。
この3試合に関して勝敗を問わん。疲れたピークの中全員がどれだけ強い気持ちをもってたたかえるか…
ただそれだけが見たい。」
「「はい!」」





(口だけは凄かったからな)
貴子先輩!ひどくないですか!
ハイハイ。でも確かに 奏架、野球してるとき人かわるよ?
いやいや、そんなことないですって!






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