ジコチューと人狼 [ 7/16 ]

組み分け帽子の歌が終わった。トーノは今日何度目かわからない溜息をついた。

憂鬱、だな。

マクゴナガル先生が次々を生徒の名前を読み上げていく、ローレンの名が呼ばれるのはまだ先だろう。


「グリフィンドール!」


シリウス・ブラックの番に少し騒がしくなったがそれも時期に鎮まり、トーノの知っている名前が呼ばれた。どこにいくか知っているトーノは興味がなかったが。


「僕はどこにいくんだろう…」


彼は独り言のつもりだったがその声はトーノの耳に届いた、鳶色の彼がつぶやいた声だ。


「心配なの?」


ただの暇つぶし、そのつもりでトーノは声をかける。さっきの自分の声が人に聞かれたことに少し驚きながらも彼は答えた。


「まぁ、こんなに緊張するのは初めてだよ」

「同感、でも。」


言ってもいいことなのか少し迷ったそぶりを見せながらトーノは呟く、自己満足のために。


「あなたはグリフィンドール、かな」

「え、」


グリフィンドール、彼はその言葉に少し嬉しそうな反応をして、すぐに俯いた。


「そうかな、僕なんて…」

「勇気をもってみたら?ほら、あなたの番」


え?と彼が前を向くと、マクゴナガル先生は次の生徒の名前を言った「ルーピン・リーマス!」たしかにそれは彼の名前だった。リーマスは目を見開き。かろうじて一歩踏み出した。


「どうして、」

「知ってただけ、だよ。望んでみたら?頑張って」


少し頼りない足取りでリーマスは組み分け帽子の前までいき、マクゴナガル先生が帽子をかぶらせた。

6秒ほどだろうか、リーマスの口が動いたのをトーノは見て、微笑んだ。


グリフィンドール、か・・・


「グリフィンドール!」


リーマスは頬を少し赤く染めてグリフィンドールのテーブルに向かった、一瞬だけさっきの少女に目を向けたがその黒色の目は自分を見ることはなかった。

少し残念に思いながらもリーマスは席に座り、次の生徒が呼ばれるのを待った。


「ローレン・トーノ!」


生徒の中でも一際目立つ一つに束ねた金色の髪をたなびかせ、組み分け帽子に歩いて行く。
それはさっき自分を励ました少女だった。

彼女はきっとグリフィンドールだ、リーマスはかなり自信を持ってそう思った。
しかし、組み分け帽子が言った寮はグリフィンドールと真逆の寮ともいえる所だった。


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