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琴「あ〜…、うんいけそう」
喉の調子を確かめる。

心「………」
一応吸入器を使っておく。

心「すげぇバカップルの曲だな」
琴「いいじゃない、好き好き〜っていう女の子の気持ちが詰まってるんだから」

銀「(時間がたてば機嫌は直ると思うけど、いいのか)」
ソウルに耳打ち。

魂「………」
歌ってるハートを見る。

魂「…歌うのは嫌いだ」
銀「……そう。じゃあ俺あの曲行くよ」
裏表ラバーズで。

晶「凄い……」
響「本当に凄いとしか言えないです…」
思わず聞き入る二人。

魂「ああ、さっき頼んだやつか」
届いた食べ物、飲み物を受け取る。

心「えいっ」
感奏の間に速さをupする。

銀「ちょ…!」
でも歌う。

響「ハート、鬼……」
晶「でも歌ってるよ…」
魂「(…断って良かった)」
あまりの速さに呆然。

銀「…………」
歌い終わって何も言えない。

響「……お疲れ様です」
心「兄貴活舌いい〜」
ポテトをむしゃむしゃ食べる。

晶「ソウルは歌わないの?」
魂「……………ああ」
かなり躊躇してから答える。

心「…………」
何も言わない。

琴「クリス、ワールドイズマイン歌お」
晶「いいよ、歌おう!」
マイク持って楽しそうに笑う。

魂「………」
プイっとよそを向いてしまった。

銀「(二人して拗ねるのはなしだ……)」
一番手がつけられない状態。

響「(あーあ、どうしようかな…)」
こっちも困っていた。

銀「どうしたハート?」
とりあえず抱きしめる。

心「………どうもしない」
シルバーの肩に頭を預ける。

響「………」
シルバーとハートを見て、ソウルの肩に寄りかかってみた。

魂「…なんだ」
響「こういうの好きかと思ってさ。家系っていうか、血筋的に?」
魂「なんだその理屈は…」
呆れかえってヒビキを見る。

銀「なぁ……ハートが寝てしまったんだが」
なんか安心したらしいハート。

魂「疲れたんだろ。その辺に寝かせてやれよ」
寝られるように場所を空ける。

銀「離れてくれないんだが…」
腕を回してがっちり固定して寝ている。

魂「はぁー……離せ、ハート」
ハートの耳に囁きながら腕を剥がす。

心「………ん」
うっすら目を開け、ゆっくり瞬きをする。

魂「…寝るのはいいが、シルバーを離してからにしてやれ」
ハートから離れる。

心「ん…ん、………ポテトがない?」
銀「食べたらダメだった?」

心「別に…」
寝起きでテンションが低い。

魂「………」
元の位置に座る。

響「はい。一曲歌ったら?」
ソウルにマイクを手渡す。

魂「…断る」
響「君だけ歌わないってないだろ。ていうかさ、歌いなよ」
魂「はぁ?なんでだ…!」
響「ハート、歌ってくれるってさ。何がいい?」
ソウルを無視してハートに笑いかける。

心「パラジクロロベンゼンか裏表ラバーズの速さMAXか鏡音レンの暴走」
どれも早口、息継ぎが…。

銀「お前な…」
響「じゃあ、パラジクロロベンゼンにしとこうか」
魂「無理だ!俺の意見を聞けよ!」
響「病は気からって知ってる?歌えると思えば歌えるよ」
魂「………」
ヒビキに諭されたのが悔しいソウル。

心「………」
速さを上げようか迷っている。

銀「まて、早まるな。機嫌が悪いのは分かるが…ソウルが泣くぞ」
心「泣けばいい、むしろ泣け」
琴「……ややこしい双子ね」

魂「いやっ……本当に無理だ…」
間奏の間、ハートに訴えた。
ほぼ噛み噛みで息も切れかかっている。

心「情けない男だな」
銀「ソウルも頑張ってるんだから、な?」
心「…………」
ソウルの飲み物を勝手に飲む。
手に持っていた機械をヒビキに渡す。



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