生意気


あたしの好きな奴は…
2つ下の生意気な子。


「おはようっス…」


太陽が照り付ける夏…今日も朝から暑い。
学校へ付くと、テニス部期待のルーキーである越前君に挨拶された。


『おはよう、越前君!今日も暑いねぇ〜』
「別に…先輩が弱いだけじゃないっスか?」


生意気なルーキー…
目上に対する言葉使いじゃないよなぁ;


『生意気だな…』
「褒め言葉として貰っておきますよ…じゃ。」


最後の最後まで憎まれ口叩いちゃってさ…
手塚君はどういう教育をしてんだか、まったく…


「ねぇ」
『な、何?』
「アンタ、最近部活見に来てるよね。」


あ、見てたんだ…


『うん。』
「アンタが居ると、調子狂うんだよね。」


…何それ。
しかも言いたい事言ってさっさと行っちゃうしさ。
別に騒いでないのに…邪魔だったのかな。
そんな事を考えながら、教室へと行った。

***


『はぁ…』
「どしたどした〜?名前元気が無いぞ?」
『英二…』
「何かあったのかい?」
『不二…』

あたしのクラスは3‐6。
英二と不二とはとても仲良くしている。


『越前君にさ…アンタが居ると、調子狂うって言われちゃったんだよね…』
「おチビが!?」
「越前がそんな事を…」


実際、ショックが大きい…
越前君に嫌われてるって感じがしちゃって…


「少し、様子を見た方が良いかもしれないね。」
「不二の言う通りだね、様子を見よ?」
『有難う…』


英二も不二も、あたしが越前君を好きなのを知っていて言ってくれたんだ…
なんか、授業受ける気がしないなぁ…


『あたしサボるね…』
「嗚呼…先生には上手く言っておくよ。」
『んっ、サンキュ。』


あたしは不二と英二に別れを告げ、保健室へ足を運ぶ事にした。




『先生〜、具合が悪…』
「先生なら会議で居ないよ…嗚呼、名前先輩だったんだ」
『越前君…』


何か気まずい;
で、でも…聞いてみるのも良いかも…


『越前君…』
「何?」
『あたしってさぁ、邪魔だったの…?』
「何で?」
『アンタ居ると調子狂うって言ってたじゃない…』


ぅ"…自分で言って虚しくなるわ
でも聞きたいし…


「誰が邪魔なんて言ったの?」
『でもそういう事でしょう?』
「名前さぁ…鈍いよね」


今…名前って呼んだ…


「何も、調子狂うのは邪魔とか嫌いって理由だけじゃ無いから…他の意味分かる?」


…他??


『ウザイ…とか;??』
「アンタ、本当に馬鹿だね」


―――― グイッ


『え、越前君?!』
「知ってたよ、アンタ…名前が何時も俺を見てたり応援したりしてくれてるの。」
『それで、邪魔なんじゃ…』
「言わなきゃ、本当に分からないの?」


分からない…
分からないよ、越前君…


「名前が居るとさ、格好悪い所見せられないでしょ。だから、何時もの調子が出ないの。」
『…ぇ?』
「何?まだ分からない?」


あたしは静かに頷いた。


「じゃぁ…」
『ぇ…んぅッ?!///』
「これで分かった?」


越前君に…キスされた…


『言ってくれなきゃ、分からないよ…』
「へぇ〜…じゃ、一度だけなら言ってあげるよ。」


そういうと、越前君は耳元で囁いた…



「大好きだよ、名前…」



〜 オマケ 〜
「にゃー!!おチビと名前がチューしてるぅ!!」
『ぇ、英二!!?』
「そういう事なんで…先輩達、絶対に名前に手ぇ出さないで下さいね?」
「保障は出来ないな…(黒笑」
「受けて立ちますよ…(黒笑」
『越前君…』
「リョーマ」
『リョ…リョーマ』

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