プレゼントは何が良い?
3月14日…3月14日…
3月14日…3月14日…
サンガツジュウヨッカ…!
◎ホワイトデー◎
「ッだぁぁあぁあ!うるせーよ宍戸!!」
「お前のほうがうるせぇんだよ岳人」
「黙れクソクソ跡部!」
「アーン?」
周りの声なんか耳に入らねぇ。
“3月14日”
頭の中でエンドレスに流れるその日付。
「宍戸さん…、頭大丈夫ですか?」
やべぇ…名前に何をお返ししたらいいんだ…っ!!
「愛やろ、愛」
黙れ、エロ眼鏡。
「チョコだろ?」
論外だ、パッツン。
「高級ディナーでいいんじゃねぇのか?」
お前と金銭感覚一緒じゃねぇんだよ、泣きボクロ。
「名前さんの欲しがってたやつでいいんじゃないですか?」
それが分かんねぇんだよぉおぉぉおおっ!!
「ッあ―クソッ…激ダサ」
名前は何が欲しいんだ?
服?チョコ?アクセサリー?
「分かんねぇ…」
「何でもEーんじゃない?」
「は?!」
バカかっ!
何か欲しがってるのをあげたいだろ!
「欲しいもの?…あー…もうすぐドリンク剤がなくなるんだけど…」
「違う!マネ業でじゃねぇよ」
「へ?」
跡部に聞いてもらいに行ったけど…
名前も天然だな。
「そのー…服とか、ぬいぐるみ、とか…」
「んー…別に?」
「…、そうか」
あーやべぇな…
俺は手作りチョコとリストバンドもらったんだけど。
結局何を買えばいいか分からず普通のチョコとぬいぐるみ。
「―…悪い、名前…これホワイトデー…いや、違うな…」
昼休み、屋上でイメージトレーニング。
もうすぐ待ち合わせの時間だからな…予行練習…。
「こんなんで悪ィ…お返し…、」
「亮君!」
「ぅぉ?!名前…」
「おまたせ」
「いや、待ってないぜ」
「ホント?」
「おう!」
「よかった」
「あの、これ…ホワイトデーなんだけどよ…、」
「あ、ありがとうっ!」
嬉しそうに受け取り中のぬいぐるみを見る名前。
「悪ィ…欲しいものが分からなくて…」
「ん?亮君からのなら何でも嬉しいよ♪」
「え、それ…」
俺と一緒の気持ち。