冬休みになった。クラスの皆はほとんど帰省するそうだ。しかし両親が海外にいる私は、長期休みは必然的に居残り組になるわけで。…ああ羨ましい。私も実家に帰りたい。だが、両親は海外を飛び回っているというじゃないか。一体どこにあるんだマイスイートホーム。

というような愚痴を颯斗くんにぶちぶちとこぼしたところ、それならば、ということで不知火先輩の実家である神社を手伝うことになってしまった(本当は面倒くさいと思ったがなんと月子ちゃんもいる、ということで参加することにした)



「寒い」

「仕方ないですよ」

ざりざりと箒で砂を掃きながらぼやいたら颯斗くんに聞かれていた。なんてこった。居たのか。颯斗くんの後ろのほうでは、不知火先輩と翼くんが月子ちゃんに絡んでるのがちらっと見えた。

「颯斗くん寒くないの?」

「そうですね、あんまり…」

「なん…だと…」

寒いの苦手なんだよー。うおおう寒い寒い。どうにかして暖をとろうと手を全力で擦り合わせたり、息を吐いたりしてみるが全く効果はない。ちくしょう。寒い。しんどい。

「咲月さん」

「ん?」

颯斗くんに呼ばれて顔を上げると、手のひらがふわりと暖かさに包まれた。おお、暖かい。
見ると、颯斗くんの両手が、私の両手を包み込んでいたのである。

「颯斗くん暖かいね」

「ふふ、そうですか?」

「うん。ふんわかほっこり」

何故だか颯斗くんの手はほかほかと暖かかった。あ、もしかして子供体温?

「正解は、これです」

「あ、カイロだ」

颯斗くんが取り出したのは小さめのカイロだった。振って暖かくするやつ。

「いいなあ」

「あげますよ」

「まじでか。ありがとう!」

颯斗くんのカイロを受け取って、しゃこしゃこ振っていると、後ろからどーんと衝撃。

「ぬはは!咲月ー!」

「出たな翼くん。君は寒くないの?」

「咲月、寒いのか?」

「寒いよ冬だもん」

「ぬ…」

翼くんはぬーん、と少し考え込んでから、ぬ!と声をあげた。

「なに」

「これなら寒くない!」

そう言って後ろからぎゅっと抱き締められる。おお、本当だ。寒くない!

「ぬは!俺もあったかい!」

ぬっぬぬーん!と上機嫌な翼くん。それに対して颯斗くんの表情が沈んでいるのに気付いた。あ、も、もしかして、私がカイロもらっちゃったから寒くなっちゃったのかな。………あ、そうだ!

「颯斗くん颯斗くん」

「え、あ、はい?」

「えい!」

「え、あ、咲月さん?」

「ぬはは!そらそらもおそろい!」

颯斗くんの背後にまわって抱き付いてみました。これで誰も寒くなーい!

「寒い?颯斗くん」

「いえ、すっごく暖かい、です」

ふわりと微笑む颯斗くんに、安心する。よかった。カイロもらっちゃってごめんね!

「こらー!何してんだおまえらー!」

「わー、あったかそー!」

私達を見て不知火先輩と月子ちゃんが近付いてきた。

「月子ちゃんも入る?」

「うん!」

颯斗くんから離れて、月子ちゃんを後ろから抱き締める。代わりに月子ちゃんが颯斗くんを抱き締めた。

「ふふ、暖かいですね」

「月子ちゃん体温高いね」

「そうかな?」

「咲月も高いぞ!」

「まじでか」

境内で抱き締めあう四人の男女。傍から見ればかなりおかしな格好だろうが暖かければそれでいいんだよ!気にしないぜ!

そして不知火先輩がこの状況を何故か羨ましがって俺も入れてくれ!と言ってきた。

「え、そんなに颯斗くんに抱き締められたいんですか不知火先輩」

「いや、お前と月子の間に入れてくれれば問題ない」

「不知火先輩…」

「待て待て。なんだその蔑みの眼差しは」

「見失いました、一樹会長」

「損なうじゃなくて!!?」

「まあ僕は最初から見てもいませんでしたけど」

「おいぃぃいいい!!!!副会長おおおおおお!!!!!!」

「ぬははは!」

「お前は何かフォローしろよ翼!!!」

「ぬははは!」

「シカトかよおおおおおお!!」

「………」

賑やかだ。
でもこの空気は嫌いじゃない。ぎゃあぎゃあと騒ぐ生徒会組を見て、ふっと笑いがこみあげた。





















のした
















----------------湊さん

神社関係ねえええええ!!!!!!←
挙げ句意味分かんない文ですよねごめんなさい…!!冬未プレイでごめんなさい。
その内やります←
はあ…ちょっと文章力アップの旅に出かけてきます…
リクありがとうございました!








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