月子ちゃん一筋だった羊が、紆余曲折あって私と結婚しました。…本当に、色々あった…。月子ちゃんラヴな羊から告白されたとき、練習台にされてるのかと思って月子ちゃんならどう答えるだろうと頭の中でシミュレーションしてから「私も…羊くんのこと…」と答えたら、羊は満面の笑みで「本当!!?」と私の両手を掴んでキスをしてきたので、ちょ、私は咲月だよ月子ちゃんじゃないよ!!と叫ぶと、羊はキョトンとした顔で「当然じゃないか、僕は君に告白したんだから」とさらりと言われたときはたまげたね、ああたまげた。まぁいいかと思って付き合うことにして、気付いたら結婚まで発展してたからね。時って早いわ。最初こそ微妙だったが今はちゃんと羊のこと愛してます。(まぁ結婚するぐらいだし、ね)

結婚後はしばらく日本に居たのだが、羊のご両親の仕事を手伝うため、夫婦そろってアメリカに飛ぶことになった。出発は三日後である。

「アメリカかー…」

ソファに座ってインスタントコーヒーを啜る。アメリカなー…、アメリカって何が美味しいんだろうか。ケバブ?

「咲月、アメリカはやだ?」

私の呟きを聞いて、羊が困ったような顔で私の顔を覗き込んだ。もとはといえば羊のご両親が私達を呼び寄せたから、私が故郷である日本を離れなければならない、という事実に少し責任を感じているのかもしれない。別にいいのに。

「いや、そんなことないよ。ただアメリカって何が美味しいのかなー…と思って」

「はは、咲月らしいね」

ほっとしたような笑みでコーヒーを飲む羊。あら、やっぱり少し責任感じてたのか。可愛いなあ、もう。

「大丈夫だよ、羊」

「咲月?」

「私のことなら心配しないで。英語だって完璧だし、そもそも私の両親は海外に居るしね!」

英語極めたよ!日常会話ぐらいちょちょいのちょいだぜ!

「………そっか」

「うん、だからそんな…、……!!?」

「咲月!!?」

吐き気。

咄嗟にトイレに駆け込んで、色々とリバースしてしまった。何か変なものでも食べてしまったのか、最近妙に腹がおかしい。

「出発は三日後だし、明日にでも病院に行って来たら?」

心配そうに私の背中を擦ってくれている羊に、そうだねえと頷いた。
























ただいまー、と家に帰ると、家の中は真っ暗だった。あれ、おかしいな。いつもなら咲月が玄関まで迎えにきてくれるのに。

玄関、廊下、と電気を点けていくと、薄暗いリビングのソファで、咲月がすよすよと眠っていた。もしかしたら昼寝をしていて、そのまま今まで寝てしまっているのかもしれかい。

ネクタイを外しながら、咲月の寝顔を眺める。ああ、この人が自分の奥さんなのだと実感が湧く度に、誰かに自慢したくなるような衝動に駆られるのだ。

「…ん……あ、羊…?」

「おはよう、僕の愛しいお姫様」

寝ぼけ眼の咲月にそっとキスをすれば、咲月は途端に跳ね起きて「恥ずかしいからやめろ!」と叫んだ。そんな咲月も可愛くて、思わず笑みがこぼれる。

「あ、もうこんな時間か〜…ごめん、お腹空いてるよね、今なんか作るよ」

「うん、僕もうお腹ペコペコ」

エプロンをつけて冷蔵庫をあさる咲月。僕はワイシャツから楽な服に着替えながら、ぐぎゅるるる、とけたたましく鳴るお腹を押さえて苦笑する。…あ、お腹といえば、

「咲月、病院行ってきた?」

「おー、行ってきた行ってきた」

「どうだった?大丈夫だった?なんの異常もなかった?」

僕の問い掛けに、咲月は不敵ににっと笑うと、衝撃の一言を放った。

「子供、出来てたよ」

















ハロー、
新しい

















--------------まどかさん

ラブラブにしたかったけどベクトルが思わぬ方向に向かっていってこうなりました。相変わらずうちの夢主は方向音痴です。申し訳ない!

リクありがとうございました!








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