すれ違い





※未来捏造(子持ち)














「何よ、私が悪いわけ!!?」

「ち、ちが」

「もう知らんわ!錫也の馬鹿!爆発しろ!」

お父さんの背中に回し蹴りとローキックをかますと、いつもお出かけのときに使ってるカバン一つ持ってお母さんは出ていった。







「お父さん」

ソファに座ってがっくりとうなだれるお父さんに声をかける。お父さんは僕を見て力無く笑うと、

「ごめんな、喧嘩なんてしちゃって」

ううん、と首を振る。それよりなにより、聞きたいことがあるのだ。

「お父さん、ばくはつするの?」

「………………………………」

さっきお母さんが出ていくときに言っていたので気になってたんだ。
お父さんは、少し長い無言のあと、しないよ、といつもの笑顔で答えた。なあんだ、つまらないの、とつぶやくと、

「お前はお父さんに爆発してほしいのか?」

「うん!できるならみてみたかったー!」

「………………、そっか…………」

こいつはお前の子だよ、なまえとつぶやいて、お父さんはソファにごろりと寝転んだ。寝ちゃった。いいのかな、テーブルのうえにあるあの財布、お母さんのなのに。お父さん、届けなくていいのかなあ。
















夕ご飯は、お父さんが作ってくれた。ミートソーススパゲティ。僕の大好物。
フォークをくるくる回しながら、向かい側で同じようにスパゲティを食べるお父さんに質問。

「ねえお父さん、お母さん大丈夫かなあ?」

お父さんはぴくっ、と少し反応しただけで、微笑みながら「お母さんなら大丈夫さ」と言った。え、でも、

「お母さん、お財布持ってってないよ」

「……!!?」

もぐもぐとスパゲティを噛みながら、テーブルの端にぽつんと置いてある財布を指差すと、お父さんは目を見開いて、途端に青ざめた。

そして、凄まじい勢いで出ていってしまった。ああよかった、お母さんこれで大丈夫だよね。お金ないと危ないもんね、と安心してスパゲティを飲み込むと、玄関から「ただいまー」とお母さんの声。わ、早いなあ。

「おかえりー」

「ただいまー…あれ、錫也…お父さんは?暁、知らない?」

「え、お父さんならここにあったお母さんのお財布持って飛び出して行ったよ」

「え、何してんのあの人」

「お母さんお財布は?なかったんじゃないの?」

「あー、昨日新しいの買ったから中身移して古いやつそのままテーブルに置きっ放しだったんだよねー」

「………………え」

じゃあお父さん、どこ行ったんだろう。













すれい、
かん違い
















(はぁ…ただいま暁…なまえいなかっ…)(おかえりー、お疲れー)(……!!?な、はっ、ちょ、え!!!?)(うわああお父さんごめんなさいー!!かくかくしかじか四角いムーヴなの!)(え、ちょ…なまえ…)(うん、ごめんね!)




◎捏造すみません!大好物です!
錫也さんとなまえさんのお子さんは『暁』です。あきらくん。
お父さんとお母さん思いのいい子です。多分。







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