カトレア
20 第2のお母さん
結局あの朝の出来事からアタシは(否応なしに)豪炎寺君を修也と呼ぶことになってしまった。……それからもう1つ今までと変わった事がある。それは……、 「……おはよう。叔母さん、修也」 「おはよう、飛鳥ちゃん」 「……おはよう(もぐもぐ)」 (や、やっぱり居るのね……) 内心苦笑を洩らしながら、アタシは修也の隣に腰を降ろす。――叔母さんが言うには叔父さんと(アタシの)お父さん兄弟が修也のご両親と仲が良いらしく、アタシ達が幼い頃から家族ぐるみで付き合ってる……らしい。 だから、アタシと修也が稲妻町に来てからは、修也のご両親が忙しい時はよく家に来て一緒にご飯を食べたり、修也と一緒に過ごすことが多い。今日もこの様子を見ると一緒に学校へ行くみたいだ。 ……なぜ疑問系なのかは、いつも予告無しに突然修也がいるから。(不意打ちを食らうと、たまに修也が起こしに来る) 叔母さんも叔母さんで、アタシが驚くのが面白いらしく、全くもって予告してくれない。酷いよ、叔母さん!! 「飛鳥ちゃん、今日は修也君も夕飯食べるから、一緒に帰ってきてね」 「うん、分かった。あ、修也、バター取って」 「ん、」 「ありがとう」 「飛鳥、」 「何?(もぐもぐ)」 「今日の課題で分からない所があったんだ」 「あー教えて欲しいってこと?」 「あぁ」 「いいよー、全然」 修也が教えてくれなんて言うの珍しいなぁ。とか考えながらアタシ置いてあるコーヒーを啜る。アタシと修也が話している内にいつの間にか叔母さんはキッチンからアタシの向かいに座って、ニコニコと此方を見ていた。 「な、何叔母さん?」 「修也君と飛鳥ちゃん、仲良くて良いな、って思って」 うふふ、と嬉しそうに笑う叔母さんの発言にコーヒーを吹き出しそうになって、噎せてしまった。空かさず修也がティッシュを渡してくれる。 「お、叔母さん止めてよイキナリ……」 修也も何か言ってよ。と視線を向けても、修也は何食わぬ顔で牛乳を飲んでいた。 「……飛鳥そろそろ行くぞ。おばさん、ごちそうさまでした」 「いーえ、どういたしまして」 「ごちそうさまでした。いってきます!」 「……いってきます」 「はーい、いってらっしゃい」 笑顔で送ってくれる叔母さんにアタシ達は笑みを返し、学校へと向かった。 (待ってよー、修也) (……やっぱりおばさんは良い人だな) (うん、アタシ達の"第2のお母さん"だよね。でも、どうしてイキナリ?) (いや、何でもない) ((何か今日の修也、機嫌良いなぁ……)) ――― これもブログから引っ張ってきました。 2009/10/09 |
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