禍々しい煙が晴れた向こうで、未だユラリと中に浮かびながらこちらを伺う骸骨が嘲笑うようにカタカタと音を立てる さっきの毒煙か、目の痛みからか低く唸りながらも化物を見据える花宮 バケモノを睨みつけながら、いつでも飛びかかれるように脚に力を込める 「顎だっ…顎の下を目掛けて突け!!!」 花宮の声に反応するかのように此方に飛びかかってくるバケモノ 花宮を庇うようにザッ…と前に立ち、腕を引いて構える チャンスは一度!!今度こそ…! 「っぁああ!」 再び開きかけたバケモノの口を下から突き上げるようにして顎の下にロングソードを突き刺した パリィ……ン…! 確かな手応えとともにガラスの砕けるような音が響く すると骸骨の中心部が真っ赤に染まり、耳をつんざくような機械音をあげながら骸骨は小さな塵になって消えた 「…っ花宮!名無しの!無事か…?!」 「名無しのサン大丈夫?!…って花宮それ…」 バケモノが消えた途端に教室の扉が勢い良く開き、古橋と原が飛び込む 剣を構えたままの花子や膝をついて苦しそうにしている花宮を見て心配そうに駆け寄った2人だが、原が花宮の顔を震える指で指す 「…高ニ病の気はあると思ってたけど、とうとう中二病までなったのwwwなにその目www」 「原…テメェ…!」 「ブフォwww」 吹き出した途端に花宮からがギロリと睨まれたが、緊張が溶けた花子は膝から崩れるように座りこんだ さっきまでの緊張が嘘のようにカラカラと笑いだした原に青筋をたてる花宮、死んだような目をさらに暗くしながらため息をつく古橋の3人に花子も思わず笑みを浮かべた _______________ prev next 31/34 back |