世界にさよならを | ナノ


「とりあえず現状の把握と今後どうするか話しあおう。各学校の代表一名集まって下さい」
赤司の一言で各学校のから部長、3年が体育館の中央に集まり立ったままなにか話し始める
赤司に宮地、妖k…ゲフン今吉と花宮、福井と木吉、笠松か…これからアイテムやまだ揃ってないメンバー、校内の探索に行くにあたっての話しあいだろう
自分はどこに入れられるのか…頼むから霧崎第一だけは…!あ、桐皇も嫌だ…あれフラグ??

代表者が輪になる中心から離れ、ステージの壁に背中を預けながら手元の剣に視線を落として一人考えを巡らせる
他の学校は所々まとまっているが、正直余所者で怪しまれている花子にとってそのそばにいるのは居心地の良いものではないし、あちらも同じ気持ちらしく近づく者はいない…まあさつきとはめっちゃ目ぇ合うけど黄瀬にさり気なく阻まれているし、めっさ私に睨みをきかしているなう。うっせー何ガンつけてんだデルモ(笑)目潰しすんぞ!

目線を下げていると、フッと花子の視界に影がかかる
目線を上げると長身のためか眼鏡が反射して目が見えないム○カ…もとい緑間が立っていた

「……」
「……」
「……」

いや、なんか話せよ!眉間に皺寄せて見られてて困るわ!てか首痛いわこのやろう!

「え…と、緑間くんだよね?どうかした?」
「いえ、先程は助けてもらってすまなかっ‥すみませんでした」
「えっそんなそんな…緑間くん怪我はしてない?」

仕方なしに話しかけると、仕切り直すように眼鏡を上げてぎこちない敬語でお礼をのべる緑間にポカンとしてしまう
じょ、女王様がお礼を…!律儀だなぁ…そんな感動を胸の奥にしまい、営業スマイルで話しかける

「いや、俺は…でもおま、貴方の手が…」
「ぶはっ!無理して敬語使わなくてもいいよーあぁ、火傷のこと?舐めときゃ治るよー」

あまりにもぎこちない喋りに思わず吹き出してしまった花子だが、緑間の視線がさっきの紙での火傷の部分に向いているのに気づいてプラプラと手を振って大丈夫だとアピールする
笑われたからか、難しい顔をしている緑間だったが、開き直ったのか仏頂面のまま「…これをやるのだよ、今日のラッキーアイテムだったが緊急時だ」
と花子の手にご当地キャラクターまり○っこりの絆創膏を押し付けて踵を返す

まりも○こり…!ふな○しーとかくまも○ならわかるけど、ま○もっこりとか古っ!てか色合いピッタリでやばい!コーディネートされてる…!
突然のまりもっ○りでポカンとしていた花子だったが、緑間の行動に胸が温かくなった
まだ緑間の目にははっきりと警戒の色が伺えたし、周りの雰囲気も相まって気まずい空気の中、律儀にお礼とささやかな贈り物が、花子の緊張と周りと隔てていた壁を温かく溶かしていく
温かい気持ちと絆創膏を握りながら目一杯の感謝を伝えようと口を開く

「ありがとう、緑間くん」

仲間の集まる場に戻ろうとする緑間が首だけ少し振り返り、驚いたように目を丸くしたが小さい声で「別になのだよ…」と呟く声が聞こえ、いつの間にか敬語から花子も知っている口調に戻っているのになんだかおかしくなって、絆創膏を火傷した指に巻きつけながら顔を綻ばせる

(ひび割れる心を溶かしたのは)(冷たく見える緑)
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