エステ | ナノ


2

柏木さんは制服の前を開けたら片手はベッドに突っ立てて、わたしに影が落ちた。
空いてる片手でさっきから肌をゆっくり撫で回されて、気持ち良さから目が潤む。

「んっ……声、抑えられない、です、あぁ、どうして」
「なに?」
「柏木さんの、手、こんな……っ」
「気持ちええかって?」
「はい……っ」
「うーん、なんでやろね。ミドリさんへの愛がそうさせてるのかもしれへんね」
「愛!?」
「そう。お客さんへの愛」
「あ、ああ!」
「ミドリさん好き好き〜って気持ちが滲み出てるんかも」
「……」
「なぁに、黙って。本当のことやのに。ほら、触ってみるから、感じとってや」
「っ!う……あ、あの……」
「どう?僕の気持ち、伝わってる?」
「触り方、さっきより、」
「やらしい?」

コクコク頷くわたしを見て、柏木さんがにっこり笑う。

「アレかな。ミドリさんに対するえっちぃ気持ちも一緒に出てるかもしれへんわ」
「な……っや、ぁ……っ!はぁ……」
「そんな声させて。君もそういう気持ちなんやね。お互い様や」
「あう、……っんんぅ……〜〜!」
「首ぶんぶん振って、どしたん」
「触るの、やめてください、……っそんなされると、い、……っ」

胸の先をいたずらする柏木さんの指がさらにやらしさを増して動く。びりびり全身に染み渡る快感に溺れそうで、切羽詰まった視線を投げかけるが、涼しい顔の柏木さんはさらに笑みを深めるのみだ。

「ええよ、イっても」
「へ……っや、やだ、……だって」
「胸だけでいくの恥ずかしい?」
「っ〜〜〜〜!んっ、んぁ……」
「ふふ、別にそんなおかしなことやないよ。僕にかかればね」
「……あ、あぁ、だめ、我慢できない、です、もう、…………っい、いく……、……っ!」

体をよじって逃げてもしつこく追い回されて、ついに気持ち良さ追いつかれた!
ぴくん、ぴくんと身体が痙攣する。興奮は下まで伝播して、全身に広がって、そしたら我慢なんてできなくなった。
ナカでいくのと比べて軽いそれだったが、その分激情が冷めない。まだ、まだ足りない。

「あ……っはぁ、はぁ……っ」
「凄い汗やね。気持ちよかった?」
「は、はひ……っふぅ、はぁ」
「目。ギラギラや。僕、今めちゃめちゃ誘われてる気分……」
「……っ」
「そらさんとって。こっち見て」

片手が頬に添えられて、無理やり目線が戻される。わたしの視線がギラギラだと言うけれど、見下ろす柏木さんの目こそ熱っぽく。心臓が跳ねた。
わたしのおでこの髪を手でかきあげて柏木さんが口付ける。それから頬に、唇に触れて、首筋まで。ちゅぱ、と音を立てて離れたと思ったら、例の神の手がわたしの太ももをべったりと触った。

「あつ……」

多少気だるげに、びっちり閉じた両足の腿の合間を手は割り入って、例の場所を触る。
どろどろになっているらしい、指ですくって肌に塗りたくった。わたしは途端に恥ずかしさが戻って、柏木さんの胸に手を当てて服をぎゅっと握った。

「ならさんでも入ってしまいそうやね。指と僕のやつ、どっちがええ?」
「えっ……と!」
「君は僕の指が好きやから、こっちかな……」
「…ひゃ…」
「やっぱり凄い、どんどん奥まで入る……」
「……っ!はぁ、……あぁ、うぅ」
「ああ気持ち良さそ。君ってほんと、そういう顔が上手やね」
「あぁ、……っはぁ、掻き回すの、待っ……」
「て欲しくないんと違う?」
「う……っん、はぅ、やぁ」
「ふふ。素直」

三本、柏木さんの指がナカで自由に動く。ぎっちり締め付けられて多少動かしづらそうだが、その鈍い動きもハマる。

「あぁ、ほんま、僕の指気に入ったんやね。なんか羨ましいくらい感じてはるわ」
「んっ、だって、すごく、……良いです」
「そう。僕は僕で気持ちよくなれへんからね。どんなもんなんやろ、僕の手……。男性も女性もみんな僕の手は好きになってくれるんよ」
「(そりゃこんなん誰だって好きになるに決まってるよなあ)」
「僕本人より僕の手が好きなの〜って死ぬほど言われたわ。ミドリさんはどうやろね」
「わ、たし、……っですか?」
「そう。どっちが好き?僕と、僕の手。答えわかってるけど、聞いてみたなったわ」
「うーん?どっちかなんて、選べません!どっちもです!」
「……あぁ、ミドリさん、嬉しいこと言ってくれるんやね。僕の手も僕も好きって、愛の告白やと思ってええの?」
「!?」

ついうっかりどっちも(好き)だなんて言ってしまった!
わたしが瞬きをすると、またまたおかしなものを見る顔で柏木さんが笑う。やがて笑いを落ち着かせながら、言葉を発した。

「……今のはね、からかったんよ」
「だ、だと思いました!」
「でも、本当にそうやとええのにね。そしたら僕たち、両想いや」
「……からかってますね?」
「ふふふっ、あかん、笑えてきた。こんな笑ったらムードもなにもあらへんね」
「わたしだってそろそろ慣れてきました……もうひっかりません!」
「そう?……ほんまに君が僕を好きなら、僕たち両想い……これは冗談やないけどね」
「えっ!?」
「ふふ……」
「からかってますね!?あれっ!?どっちですか!」
「どっちやろね〜?」

機嫌良さそうに、歌ってるみたいな話し方だ。わたしは引っかかったのか引っかかってないのかわからないままでやきもきする。
と、そこで止まっていた指先の動きが再開された。

「っ、……あ……」
「一瞬でえっちなモードに入ってしまうんやね、ミドリさんは」
「は、はう、……っあ、ゆび、ゆびが、凄いから」
「そうかな。僕はそうは思えへんね。君がえっちやからやと思う」
「ち、違……っあ、あぁ」
「ふー……説得力あらへんよ。そないカラダ喜ばしたら……」
「んっ!んん……!あう、……っはぁ」
「ここ。丹念にしとこか。どう?」
「ひ、……あぁっ、な、んか、へん……っ!」
「そう。もっとしよか」
「……っ、あぁ、はあ、……や、……」

柏木さんの指の腹がナカを掻き回す。例の場所を巧みに触られて、ガクガク腰が動いてしまう。

「はー……っはぁ、柏木、さ、ん……っ」
「ふふ、もっと強お刺激されたいって顔や。ぎゅうぎゅう僕の手しめつけて。さて、何が欲しいんやろね」

言葉にせんと、できへんよ?とだめ押しされる。合意にこだわるためだろうか、本当に言わなきゃしなさそうだ。
にちゅにちゅみだらな音は派手になっていく。なかの指の動きも激しくなる。こんな状態で断るなんてできない。
冷めやらぬ興奮に後押しされ、できる限りの言葉を紡ぐ。

「えと、……柏木さん……が」
「僕?」
「はい、……ください……」
「これ?」
「!っ、それです」
「ここんなか入れてええの?」
「きゃ……っなか、がいいです」
「どうして欲しいん?」
「いっぱい……」

遊んでいた指が抜けて、入り口に先端があてがわれる。柏木さんはさらに続きを催促した。

「いっぱい、気持ちよくして欲しいです」
「うん、僕ので感じて。手も評判ええけど、こっちも、」
「……っ!あ……きゃうう……!!!!」
「自信あるんよ」
「ふ……っ!うぅ、あう!ああっ!!」

ーーずちゅうぅぅ、と奥まで一気に柏木さんの熱いものが入ってきた!いつのまにかゴムまでつけて、しっかりと奥の奥まで埋め込む。蕩けきった内部は懸命に受け止めるが、指より大きなものに急に入り込まれて動揺を隠せず痙攣している。

「あ、あかん。大丈夫?ちょっといきなり奥までしすぎたかな」
「は、はひ、大丈夫、です、ううぅ、でも」
「軽くイった……?なんかなかびくびくしてるけど

「あう……うう……ふう、はあ……」
「ん、じっとしててもかなりええけど。……でも動きたいって言ったら怒る?」
「待って……はあ、はう、んん……」
「はいはい、待つけど……はあ、僕結構待てんタチやからね。あんま、……締め付けられると、もたへんよ」

と言う柏木さんが大きく息をつく。
わたしは重力がやけに重く感じてベッドに沈み込む。ちょっと浮かした腰を、支える柏木さんと繋がる場所は熱を帯びている。落ち着かせるためか柏木さんの手がわたしの腹を胸を滑る。ぎゅううと締め付けたなかを感じてか柏木さんは顔を多少歪めた。

「はあ、あぅ……手は、や……」
「余計と感じてしもたみたい?ここ、僕の咥えこんで離さへんのやけど」
「んっ……っあ、あちゅ、あつい、です……」
「舌回ってへんの、かわええね。それに腰、動いてきてる」
「!あ……」
「やらし」

柏木さんの両手がわたしの腰をがっちり掴む。ゆっくりギリギリまで抜かれて、ぴたりと止められた。

「ああぁ……」
「じぶんこのままいくと溶けるんと違う?僕のこれで」
「はあ、はっ、……はあ、し、しないんですか」
「ふふ。生殺しのお返し。したなってしもて」
「や……っはぁ、……柏木さん、の、ほしい、です」
「うーん、どうしよかな……」
「柏木さん……っ」
「あは。なかになんかないとあかん体にでもなってしもたみたいやよ。ええよ、あげる」
「ーーーーっあ、ああっ!!」

ぱちゅっ!ぱちゅっ!と、激しく音がなって、腰が打ち付けられてる。言っても早いスピードじゃない、けれど待たされた体はそれさえ喜んで、どろどろ入口から愛液が溢れるのを感じた。
前回の時と同じでイイ場所ばかり擦られて、背中が弓なりに反った。

「〜〜!(すごい……っなかが……!)」
「んっ、あぁ、……前と一緒や……ぎゅうぎゅうでかなわんわ……ッ」
「んっ!んっ、ふ、ぁあッ、きゃうう」
「ふぅ、はぁ、……んん……ちょっとミドリさん、乱れすぎとちがうかな」
「で、でも、あっ、ぁん、は、ぁ……っ!」
「はー……、ちから、抜いて欲しいんやけどな。やないと、あかん、普通に夢中になりそうや。……のぼせそ……」

微かに柏木さんの抑えきれない声が聞こえる。少し浅めに入れて、がちゅがちゅナカの入口近くのあの場所に柏木さんのものが押し付けられる。くぷくぷ音がする……同時に逃げたくなる気持ち良さに襲われる。

「あ!あぁ、はぁう、や、……あうっ」
「いや?これされんの」
「んっ、やぁぁん、……っへんです、気持ちいい、よぅ」
「そのまま感じとき。しおふき、しよか」
「え、あ、……っ!そ、んな……あああっ」
「さっき結構指でいじくりまわしたから、ほら、たまらんやろ」
「う……っ!?あ……!?あ……っ!!」
「ふふっ、出る?」
「で……っや………なに、やだ、むり、」
「できるできる。ミドリさんなら」
「きゃ……ぁっ……ん……ーー!!」

ぴしゃ、ぴしゃ、さらさらした水の音がして、驚いて下腹部を見た。柏木さんの仕事服が濡れてる。ぴゅく、ぴゅく、自分から溢れているものが目に入った

「うそ……っは、はぁ、ご、ごめんなさい、」
「かまわへんよ。僕がしたんやし」
「でも、でも…………っん」
「君が気持ちよおなればそれでええんよ。ほら、もっとつこか。全部出してしまい」
「や、ん…っきゃ、……はぁ、あう、だ、めっ」
「だめ?……のわりに、つくたびにスゴイ出てるけど……?」
「はぁ、はん、やぁ、あうっ、ひぁぁ……」
「ふふっ。いよいよからだ力入らんくなってしもた?これでマッサージ、しやすなったわ」

ぐりぐり壁を虐めてる、太くて熱い柏木さんのが私のからだを犯してく。結合部からほど近い、感じる部分を指で触られて喘ぎ声が抑えられない。
がくがく動いてしまう腰のせいで、浅ましく求める自分がわかってしまう。
だけどそんなの今はどうでもよくて。

「あぁぁ……っ!柏木さぁん、わたし、我慢できませ……っやうぅ」
「ええよ、イき、……」
「は……あぁ、うう……っ!!んっ!ひぁっ!っ!〜〜!!」
「……ーーっ、は、……ぁあ、締まる……わ、ミドリさんのなか、」
「ひゃ、……あっ、……んん……ふ……っ」
「はー……っあかん、気持ちええ……っ」

浅いところで動いていたものがいきなり奥まで入り込む。呼吸が一瞬止まる、わけ入られるとからだ中びくびく快楽の電気に浸る。

「きゃぁ、ああっ、……ひん……っ!ふ、ぅ」
「イッてんのに動かれんの、キツいかもやけどごめんして。僕も……出したなって……きた……。もうちょっとさせて、イきたい……わ」
「はぁ、はう、ああぁ、っや、あ……ーーっ!んー……っ!待って、そんな動かれるの、むり……やぁぁ」
「いや?……っじゃあ、……抜こか、……っはぁ」
「ん……っ!」

ぢゅぷ、と音を立てて柏木さんのが引き抜かれる。ズンズン突かれて出た涙が横に垂れてシーツに落ちる。ひゅー、ひゅー、私の乱れた呼吸を元に戻せない。気持ち良さの余韻で指先さえ動かせず、ベッドにからだを投げ出した。

柏木さんは軽く笑って、わたしの髪を撫でた。するとゆっくりと落ち着いてくる。

「はぁ、はぁ、……ミドリさん、スゴイ、お疲れやね。もう満足したみたいや……気持ちようなってくれて嬉しいわあ」
「ふぅ、ふー……はい、……はぁ、でも柏木さん、は……」
「僕?僕は大丈夫。自分で、どうにかするけど、……はぁ、……これ、バスタオル。身体拭き。」
「あ、あの」
「ん……なに?」
「あの……やっぱり。もうちょっとだけしてほしい……です」

さっきはずっとされるのが辛くてやめてと言ったが、柏木さんがイってないことに申し訳なさを感じて、シャツの裾をひいて引き止めた。
私の気持ちがわかったのか、一拍おいて柏木さんが眉を下げて笑う。

「ええの?でも無理してるやろ。僕のことは気にせんとって……仕事やしね」
「あ……っ」
「なに、悲しそうな顔するん。仕事やってゆうたから?ふふ……なんか恋愛してる気分や」
「えっと……」
「やさしい子やね。ミドリさんは。そういうとこが魅力的や」
「た……単純に、わたしが、してほしいんです……もっと」
「ほんまに言ってる?」

柏木さんが、うつむいた私の顔を覗き込む。
今度は気持ちを悟られたくなくて、手で隠した。

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