エステ | ナノ




「痛気持ちええやろ…、もっと、しよか」
「んんぅ〜…っ」
「ここ、しっかり解したら腰痛も楽になるはずやよ」
「あ、……っそうなんですか?」
「そうや。あと、ここも、」
「っ!?」

内腿に柏木の骨ばった手が差し込まれる。思わず閉じた足の間で、動きづらそうに指先を躍らせた。

「こら。リラックスや」
「で、でも、」
「大丈夫、僕を信じや。さするだけやから」
「(これはエステなんだなら変なことかんがえるのがおかしいんだよね…でも、ドキドキするよ〜…)」

力を抜いたミドリの内腿を、秘部に当たらないギリのラインでさする。ミドリはどうにもいたたまれなくなって、足をすり合わせたくなった。執拗に触られれば、心より体が先に勘違いしてしまう。

「ん、…そのまま、力抜いてて…」
「は、い…っ」
「ふ、ふふっ…どしたん、腰、動かして」
「え、ええっ?」
「ちょっと動きがやらしない?…そういうんやないんやけど」
「あ、あっ、….そんなつもりじゃ!」
「ええけどね…」

ジェルとサウナの効果以上に、顔が熱くなってしまって、濡れタオルの上から手を覆いたくなった。
しかし柏木はもっと怪しく指を動かす。少し雰囲気が変わり始めていることに、流石のミドリも気がついていた。

「ミドリさん、僕に触られて、もしかして感じたん?… 別にやらしい触り方してへんのに…困った子やね…」
「ゃ、……っ違うんです!」
「何が違うん?」
「んゃ、ぁ……っひえ…?」

紙の下着の上から、当たってしまったという体で柏木の爪が秘部をひっかく。ぐちゅり、と粘ついた音が、二人の耳がしっかり拾った。

「あぁ、うわ、ミドリさん、ここ凄いことなってるわ」
「うそ、……っ!」
「嘘ついてどないするん。ええよ、僕の手で気持ちよくなった結果やしね」
「ひえぇ……った、タッキーには言わないでください〜!」
「滝川くんに?お客さんのプライバシーは守るから安心し。君がエステで触られて濡らす女性ってのは、二人だけの秘密やね」
「や…、へんな言い方しないでください!」
「変やなくて、事実を述べたまでやけど」

柏木の中指がそっと、紙越しに秘部に触れる。ゆっくりゆっくりなぞられて、ミドリはびくんと体を跳ねさせた。

「あぁ、もうすっかりそんな気分なんやね」
「ゃあ…ダメです、触らないでください…っ」
「そう?ええの?僕の指、良いんやないん?」
「んぅ、…ひゃ、…あぅ…っ」
「ふ、声、抑えられんくなってるやん。いけない子や…」
「ぁ、…だから、指、…やだぁ…っ」

目元を隠していたタオルがズレて、バチリと柏木と目が合った。どくん、と心臓が鳴って、羞恥だけじゃない様々な感情がミドリの中に入り混じる。

「ん…なんか色っぽいわ、汗で前髪が張り付いてて」
「ひゃ、…ほ、本当、手、ゃめて、……柏木さんっ」
「もっと見たなったから、ちょっとだけ、触らせてや…」
「やぁ…っあ、あぅ…だめ、…」
「ふ、…あかんわ…ずっとしてしまいそうや」
「はぅ、……っ」

このままじゃ本当にイきそう、って時に指を離されて、ミドリは大きく息を吐いた。

「ごめん、ちょっと調子乗ってしもた。…あぁ、でもこれ、見てや…」
「あう…っ見せないで、ください…〜〜っ!」
「僕の指、濡れてしもた。君のでぐっちょりやわ」
「ひぃー……っ」

顔を手で覆って表情を隠すミドリに、柏木は薄く笑って指先をタオルで拭う。
彼女が体をよじったせいで、体を隠していたバスタオルははだけてしまっていた。それにも気がつかないくらいいっぱいいっぱいのミドリは、涙が出そうになっている。

「そうや、ミドリさん。君にとってちょうど良えお話思いついたから、聞いてくれへん?」
「お、はなし、ですか…?」


ーー君がして欲しいなら、もっと気持ちよくさせてあげるけど…どないする?

指の隙間から柏木を見つめる彼女の目が見開く。
柏木はニッコリ笑って、彼女を試すみたいに見下ろしている。不可解なままのミドリは眉をしかめて、彼をじっと見た。

「え……!?」
「うちの店には実はそういうコースもあるって事や。あ、でも無理矢理はせーへんよ。僕がしてるのはあくまで合意やから」
「な……っ!公式にあるっていうんですか!」
「うん。裏メニューやけどね」
「や、やっぱり、はんなりエロエセ関西弁マッサージ師じゃないですか!」
「なんやその、はんなりエロエセ関西弁マッサージ師っていうんは…。でも誰にでもするわけやないよ、おおっぴらにはできん商売やからね…けど、」
「あ、あぅ……っ」
「胸もこんな先尖らせてて、下もぐっしょり濡らしてしもて、ここで止めるのも辛いやろ。どう?…良え話やろ」
「あ、……っあ、は……っゃあ…」
「僕、上手やから、…ものすごい気持ち良くさせる自信あるんやよ…気にならへん?僕がどうやってするか…」
「ひゃ、あ……っ柏木さん、わたし、」
「ええ加減素直になり。僕にされたいんやろ、…やらしいこと。僕も君見てると、思わず手えだしたなってしもたんや」

腹を柏木の指先がなぞるだけで全身ゾクゾクと快感が巡る。甘い声が出そうになって、ミドリはしっかり口を覆った。潤んだ瞳は泣き出しそうに揺らめいて、柏木を見つめる。

「ぁうう…」
「ほら。どうするん…?かわいく僕を見つめるだけじゃ、返事にならへんよ」
「うぅ……っ柏木さぁん…」

お香の香りや、間接照明や、この部屋雰囲気が非現実みたいでミドリの判断能力を奪う。
体をそんないやらしく触られては…仕方ないんだ、なんて半ば自分を騙してミドリは口を開いた
こそこそ、秘密の言葉を柏木の耳元で囁くと、彼はおっとりと笑って、でも瞳からはギラつきを隠さない。

「うん、僕に任せとき。今までにないくらい気持ちよく…してあげるわ」





「こんなちょっと触られるだけでええの?君感度ええんやね」
「んや、…あぅ、あっ、そこ…っ」
「素直なええ子。僕、そういう子、好きや」
「やぁ…あん、ん……っ」

濡れてしまった下着は簡単に破れて、隙間から入り込んだ柏木の細くて長い中指が秘部をつつく。
ゆっくり中程まで差し込んだら、指を曲げて壁をノックした。
にちゅぬちゅ淫らな音がする。

「やぁ…ぁう、柏木さん、そんな、…されると、すぐ…もう…っ」
「あぁ、もう僕の腕までぐちょぐちょになってしもたね」

一回軽くイかせてあげるわ、と囁いたら、ちょっと激しくナカで指を動かした。

「ひゃ、…あっ!あっ、ゃあっ、あう!」
「凄い声やなぁ…気持ち良さそうやわ…僕まで当てられそう…」
「柏木さん、わたしっ…!も、……だめ、」
「ええよ。僕の指でイき。見とってあげるから」
「あぅ、見ないで……っゃ、……ーーあっ!」

びくん、と跳ねた背中を柏木の空いた手が支える。肩で大きく呼吸をして、酸素を捉えるミドリの目からは涙が溢れていた。

「泣くほど良かったん?ナカ凄い、締まって、僕の指まで気持ちええわ…」
「んんっ、動かさないで、ください…っはぁ、はう……〜〜」
「そやね、ちょっと落ち着きや。頭撫でてあげるわ」
「はわ…………」
「撫でられるの、好きなん?」
「はい…多分…はぁ……っ」
「ナカまだ痙攣してる…、ミドリさん、……もっと気持ちよくなりたない?」
「もっと…?これ以上?」
「そうや。僕のこれで、…君のナカ滅茶苦茶に付いてあげたら…どうなるやろね」
「え、あわ、わぁ…っ」

黒いエプロンを持ち上げる、柏木のが視界に入る。怒張したものを臆面無く見せつけられては…ミドリは生唾を飲んだ。

「ふふ…息荒くして、興奮したん?」
「あ、あう…」
「僕の、めっちゃ熱くて、先端からお汁垂らして、早よ君のナカ入りたいな…って我儘言うんや」
「…え、ええっ…」
「そりゃそうやろ…目の前でかわええ女性があんあん喘いでたんやで、僕かて…その気になるやろ」
「あ、……」

どきん、どきんと心臓が煩く身体中を震わせる。また耳元で、ゆっくりと一文字一文字しとやかに柏木は言葉を紡ぐ。

「ミドリさん、したらあかん…?」
「あ、……っ柏木さん、私、…ドキドキして、駄目です、ちょっと離れてください…!」
「それはできひんお願いやな。けど、ドキドキしてんの?…なんでなん…?」
「あ……っ」
「僕ともっといろんなことしたくて、そうなってるんちゃうんかな…」
「ん、んっ……!?」

ーちゅく、ちゅう、
いきなり唇を奪われて、ミドリは柏木の胸に手を置いた。でも肉厚な舌が自分の舌をなぞって絡み合えば、腰が抜けてしまう。

「はぅ…」
「あ……キス、してしもた……。キスはうちの店ではやってないんやけど…、まぁええか…ええよね?」
「んん…ぅ……っ」
「だってめっちゃ、気持ち良さそうやもん…もっとしてええかな…」
「あふ…ふぅ、……んんっ」

ベッドに座らながら、柏木に背中を支えられて、ミドリは彼の手に体重をかけた。
とろんと潤む大きな瞳は感じきっていて、キスの合間に漏れる吐息は愛し合う恋人同士みたいに甘い。

「ん……ぅ…柏木さん…っ」
「足、すり合わせてる。またしたくなったんやろ…僕にお願いして。可愛いお口で、頼んでや…」

一拍おいて、ミドリが口を開く。こんなセリフ言ったことないんだと言わんばかりに、震えて空気に溶けてしまう。頬を染めて、恥ずかしさの中で溺れているミドリを柏木は目を細めて見つめた。

「私、もっと、柏木さんと、したい…」

柏木はにやりと笑って、もう一度軽くキスすると、ミドリの唇を舐めた。

「ん、ありがと…体の隅々まで、感じさせてあげるわ。覚悟しや」
「ぁ、…っ」


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