出来のいい弟 | ナノ
ｂ
ずちゅう、といきなり奥までおもちゃを入れる。体を反らせた姉ちゃんがぱくぱく口を開け閉めして、声にならない喘ぎを漏らした。
――カチッ！とスイッチを入れる音を合図に、ビクンと震えながら艶めかしくベットシーツを乱す。
「っあ！っや……！なか……！あうぅ、はぁう……ッ」
「姉ちゃん。感じる度にうしろ、ぎゅうぎゅう狭まったり緩くなったりしてるぞ。結構好きなんだろ」
「ああぁん……！ゃあ……！はぅ」
「なあ声……我慢しろって、馬鹿」
「んっ、んぅ……ぁ……ぷは……は……」
キスしながら指をゆっくり動かす。相当良いらしい。秘部をどくどく脈打たせ興奮して、姉ちゃんが俺にしがみついた。後ろに入れた指でも、おもちゃが暴れてるのがはっきりわかる。
だから中指の先でコツコツノックしてやった。
「あぁ！んぅ、ひっ……やっぱ、やだ、そこは、……っ！やだあ、廉くん！」
「はぁ……なんで嫌なの、こんな腰動かしてんのに。それに止めないに決まってるだろ、だって」
――こっちだったらいくらでも中に出せる……。
吐き捨てるような俺の言葉で顔色をより深刻に悪くして、姉ちゃんがいやいやと首を振った。
「ひう……っ！や、……っあう、ああぁ、そこ、いや……」
「は……わっかりやすい。イきそうな顔して何言ってんの」
「(いろんなとこ、気持ちくて、)それ以上、やめて、へんになるよ……っ」
「……なりゃあいいじゃん」
「ふ……っあ！……はう、あ……廉くん……」
「なに」
「あっ……声、抑えらんないよ……だめ……っ」
俺はため息をつく。
自分の腕や手じゃ口を塞いでもすぐ力が抜けて儘ならないらしい。
空いた手で顔を引き寄せたら、とびきり深いキスをしてやった。
「ん！んんう……っふう、はう」
「……っは、……んん……はー……ねーちゃん……」
俺の体にひっつかれるとよくわかる。姉ちゃんがガクガクと腰を動かさないといられないくらい感じ切ってるということが。キスしてやると後ろは徐々に力が抜けて、遊べるくらいは柔らかくなった。
しつこく頭を支えて深いキスを与え続けると、すぐ姉ちゃんは気持ち良さに耐えられなくなって。
「んっ！ふ……っ！！んんっ！！ゃ……ふぁ……」
「つ！……っは、はぁ、……すげえな、ド淫乱かよ……」
「はう。はあっ。はあぁ……っ、ああ……ひう……」
「そんな、泣くくらい、イイくせに」
(俺の入れんのはやっぱ嫌なんだ……？)
疲れ切って抵抗をなくした汗だくの姉に覆いかぶさった。足を支えてた手は力が抜けて機能しなくなったから、両足俺が持ち上げて自分の肩にかけた。
それを当てがうと姉ちゃんは何も言わず身じろぎする。
圧で抜けてしまったおもちゃがベッドに転がるのもそのままに、俺はゆっくり腰を動かした。
ーぎち……っ
「あぁ……くそ、慣らしたくったのにうまく入んねえ……」
「い、痛いよ、廉くん……っ」
「マジで、姉ちゃん力抜けって……じゃねえとこれ無理矢理、奥まで入れちまうぞ」
「ひい……やだ……こわいよ……廉くん」
「く！おい、……力、……ほんと頭悪りいな……」
頭に血がのぼる。
もう一度なかにおもちゃを差し込んでやってもイイけどと手を伸ばそうとして閃いた。
「一旦、イくわ。なかに出したら滑りよくなんだろ」
「え……っ、廉、くん、うそ、」
「なんで嘘つかなきゃいけないわけ。心配しなくてももう一回くらいならできるよ」
「心配、なんか、してないよ……っ」
「何回もイケるってさぁ、俺も姉ちゃんと一緒だよな……姉弟だからかな」
「……う……」
姉ちゃんが言われたくなかったって顔をする。従順と生意気が同居して、俺の欲望を逆なでする。
「っあ……！ちょっと、なかっ」
「大きくなった？……はぁ、仕方ねえだろ。……ん……」
カリまでしか入ってないから残りの竿を指先でしごく。すると直ぐ俺のは膨れて、入り口を広げ圧迫している。肉壁に包まれて締め付けられているのは先の方だけなのにおかしなことに全身気持ちいい。
「はぁ、は……っ熱……っとびそ……」
「(っ廉のが、う、後ろに……入って……苦し……)」
姉ちゃんの胸が俺が腰をちょっと動かすたびに揺れる。赤く紅潮した素肌を目に入れたら、もっと胸が高鳴った。
小刻みに動いて与えられる先端への刺激とそれだけでも充分良い。だけどもっと欲しくなる、イクには足りない。
「はー、はあっ、姉ちゃん、手伝って」
「へ……なに……」
「わざと締め付けろよ。後ろ」
「えっ？あ……！っうしろ……こう？」
「……っ！そう、そうして……っキツくしろ、よ」
意識したのかなんなのか、望み通りに入り口が狭まって俺は喘ぐ。呼吸に合わせて激しく胸が上下する。にちにち水音を立てて擦る指先に力が入る。目がうつろになっているのが自覚できる。ベッドに横たわる姉の顔の横のあたり自分の額をつける、シーツに沈み込む。――もうイク……！
「ねえちゃ……っあ、はぁ！出る……ッ」
「(なんか、これ……！)」
「っう、あ、……っああ、はあ、……く……っ！！」
「(甘えられてるみたい……)」
「あ……――っう、はぁ、はあっ！は……ッ」
どくんどくんと大袈裟じゃなく先端から精液が溢れ出てなかをびしょびしょに汚した。ガクガク動いてしまった腰がもっと奥に入りたがって、打ち付ける。狙い通りぬるりと滑って、それでもキツイがずぶずぶ奥に入り込んだ。
「……っ！！ひ……ぁ、廉……くん……！！！！」
「ああぁ、……なか、全部、入った……」
「っ！はあ、はう、はー……っ待って、ああ、すごく、くるしい……っ」
「ん……落ち着けよ……、奥までしたら、じっとしてっから……」
俺の精液が後ろとはいえなかにたっぷり注がれたという事実が心臓を破りそうになる。根元まで埋めるとどろりと先端からまた溢れ出て、俺はまた軽くイッたようだ。
びりびり身体中を駆け巡ってる快感に心まで浸って、びくびく性器を反応させてしまった。
「は……っ廉くんの、……はう……」
「なあ早く慣れろ。動きたいんだよ」
「……っうう……こわいよ……」
「ああ、こっちの口、ぱくぱくしてんじゃん。寂しいの？」
「！んっ！やっ……っう」
姉ちゃんの体がビクンと跳ねた。俺のをいつもぎっちり埋めてる、いつもの穴に指を無骨につっこんだからだ。二本、三本増やして、ざらついた良い場所を虐め抜く。
「っきゃ、ぁう、あんっ、はぁう……っひう……」
「なかに欲しいんだろ、太いのが。でも指で我慢して……っそれともおもちゃがイイ？」
「うう……！おもちゃは、やだ、……っ」
「っはは、指ぎゅうぎゅう締め付けられっとさ、どこが良かったのか直ぐわかる」
「っあう……！はあ、……はあん……」
「ここだろ。うっとりしちゃってさ。そろそろ動くから前に集中してろ……」
「あ……！」
ユサ、ユサ――布が擦れる音がする。ゆっくり抜いて、差し込んで、さっき出した熱く粘つく俺のを巻き込んでうしろをかき混ぜる。同時になかに指を三本。親指でその上も触ってやる。姉ちゃんはとろけきった表情で、甘く度々嗚咽を漏らした。
「はぁ、ぁっ、はう、あぁ、きゃ……」
「っは……気持ち良さそうな顔。姉ちゃんってマジだらしねえの」
「ああ……っあ、はぁん、あぁ、見ないで……」
「俺のうしろに入れてても充分感じるって結構ヤバイってわかってんの？……開発したらさらに化けるんじゃね」
「んんう、ぁう、あっ！……っ廉くん、それ、ああぁ……」
「今だってめちゃくちゃ気持ち良さそうなのにさ。どうなっちまうんだろうな」
とろとろ先端から漏れてる俺の精液がローション代わりの役目を立派に果たしている。俺は時折体をビクつかせて、精液を絞り出す。
決して激しくは動いてないけどうしろで俺のが反応するたびに姉ちゃんは体を捩ってなかを締めるからおかしく思う。
乱れてる女の口の端から溢れてる唾液を舐めて唇を重ねて体を揺さぶってやる。せっかく風呂に入ったのにお互い汗だくで混じり合う部分が気持ちよくて仕方なかった。
「ちょっと激しくするから」
「んっ！ぁん……、これ以上、するの……？」
「はぁ……抑えるのって大変なんだよ。分かってねえのかもしれないけど。もっと酷くなんて俺はいくらでもできるんだ。むしろ愛されてると思えよ」
「ぁ……いつ終わるの？」
「さあ……っなに、もう終わって欲しいの？嘘ばっか言うんだな、姉ちゃんって」
「んむ！ん……っ」
姉ちゃんはもうしゃべらないで欲しい。キスして舌をくっつけあって、ガチガチに硬くなったままの性器を押し付ける。
生でやるのはゴム越しよりよっぽど気持ちよくて、
「ハマる……」
「え、ぁう、あっ！はあ……っきゃあ、っ激しい、もっとゆっくりして、廉くん……っ」
「はー……っはぁ、……はぁ、たまんね……」
「は、あう、あん、あぁあ……ッはぁ 」
「あぁ、くそ、……はぁっ、なかで出すから、姉ちゃん……」
「！もう、散々、出した、じゃん……ッ！」
「でもまだ出せるし。ふ……っうう、駄目だな、ナマは、……いくらでも出せる……絶倫になりそう」
「……っ！あ、また、熱い……！」
「っはは、出すたび、なか、締まって……っああ、うしろも、……く……っ！」
姉ちゃんの頭より上の位置に突っ張った左手がシーツを引っ張ってぐちゃぐちゃにした。ぽたり、唾液が落ちて自分がいかに没頭しているか認識する。俺はにやりと口角を上げて唇を舐めると、眉を八の字に下げている姉ちゃんの顔を見た。
赤く頬を染めて汗をかいて、辛そうにかつ気持ち良さそうなそのなりは俺がそうしたものだ。
しばらく眺めてやるとまたうしろをぎゅううって締めて……。
「ひう…………っ！はぁ、ぁんっ、あぁ……っ！あ……」
「っ！う……なあ、今どっちでいったんだ？まえ、うしろ？」
「はう、はあ、あぁう……っ！ふ……っ」
「はー……姉ちゃん、ヤベェな……どこ見てんの」
「あ…………っ、あぁ、はあ……」
「……姉ちゃん……」
左手を姉ちゃんの頬に添える。お互い汗に濡れていてしっとりしている。俺とそっくりな目がこちらを向いた。じろりと見られて俺は責められていると思った。
「なぁ、……あんたからキスして」
「ん……キス……？」
「そう、しろよ。早く……」
「無理だよ……疲れて、動けない……」
「はぁ……？ちょっと体起こすくらいできるだろ」
「じゃあちょっと待って……ちょっと時間たってからじゃないと……」
姉ちゃんがふーふー大きく肩を上下させる。本当に動けないのかもしれないが姉の言葉はいつも信じられない。焦りが俺の心に影を落とす。
ああ駄目だ何したってどうしたって姉ちゃんがいなくなるんじゃないかって不安が拭い去れない！俺はずっとこのままでいたいのに！
「姉ちゃんは俺の所有物なんだから、俺の言うことだけきいてればいいんだよ。簡単なことだろ、どうしてそれができねえの」
「……廉、ごめん、怒ってる……？」
「怒って……なんかねえよ」
「じゃあ顔近づけて……」
「……。あぁ」
言われた通りに近づける。寸前で止めたら、ちょっと体を起こした姉ちゃんが俺にキスした。
胸がカッとなる。どういう感情か説明がつかないが激情を抱いた。
「これでいい？」
「ん……もっとしろよ……」
口付けて、抱き寄せて、うしろに入っている俺のが動いて姉ちゃんも身じろぎする。舌に吸い付いて唇を舐めて、縋り付くようにくっついた。
今すぐにでもどうにかしなきゃ、この女はどっか行ってしまうんじゃないか。疑念は膨らむばかりで、もしそうなったら俺は耐えられないからつい腕を掴む手に力がこもる。
「っぷは、はぁう……廉、」
「いいか、どこにも行くなよ。……頼むから」
「廉…どうしたの」
姉ちゃんの体に顔をうずめる。苦しいくせに乱暴をするのは楽しくて楽しくてどうしようもない。だから俺はやめられない。
でも頭のどこかに微かに残る、冷静な部分が酷くか弱く警笛を鳴らす。
目の前の女に対する愛憎をどうしたら処理できて俺は健康になれるのか？
鬱屈した胸がつかえる……俺はいつまでも今のままではいられないと悟った。
―
「やっぱりダメですか、説得は」
コーヒーを片手に話しかけた男は、しかめ面の廉の担任教師をなじるようだ。
今日も成果の上がらない進路指導を、学年主任の彼も見ていたのだ。
「急にどうしたっていうんだ廉は。今まであの第一志望に入りたくて勉強してたくせに。なんだよ、大事なことって」
ため息をつく担任教師。
慰めるつもりなのか、目の前の男はうちの子もそうだったなと苦笑いを浮かべる。
「あぁなったら聞きませんよ、あれくらいの年の子は。それにね、子供の頃の大切なものは大人になってからのとはまた違う…いつまでもキラキラ輝いて、特別なものですからね」
――先生、君にもあったんじゃないですか？
問いかけに一瞬驚いたら、どうだったかなと頭を掻いて担任は席を立つ。
進路希望調査の中の廉の書いた新しい志望校を目でなぞって、何が彼に一番良い教育となるのか、柄にもなく真面目に考えたりした。
end
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