ジム | ナノ


●昼間のお酒。a

「実は……お酒飲むとすぐ眠くなってしまうんです」
「ああ、知ってる」
「バレてましたか!」
「この間家で飲んだ時、思い切り寝てたじゃないか。俺がつまみを作りに行った隙に」

痛いところ突かれた、と苦い顔をする寧々だ。昴は気がついてないとでも思っていたのかと内心驚く。

「ですからこのビール飲むの、昴さんも手伝ってくれませんか」
「かまわない。しかし、一体どうしてこんなもの」
「商店街の福引で三等がこれだったんです」

ちなみに特等の温泉旅行券狙いだったと打ち明ける。昴はダンボールに入った缶ビールを見た。24本入りが3ケース。まるで業者だ。

「この量じゃ寧々さんも飲まないと無くならないぞ」
「はぁ、わかってます……。とにかく!廊下が狭くなるの嫌なので!早く飲んでしまいましょう!」
「昼間からビールか」
「はい!頑張りましょう!今日でできれば1ケース!」

空元気を見せている寧々を見て、どうせ飲むのは俺だろうと半ば呆れる昴だ。しかし珍しく彼女に頼まれごとをされた彼は襟を正す。

「よし。飲むか」
「はい!」




●昼間のお酒。




すやり、と呼吸が聞こえて昴が眉をひそめる。

「寧々さん、寝てるだろう」
「は……っ寝てないです!」
「そうか?」
「そうです……ぐう……」
「あのな。寝ないと豪語していたのはあなただろう」

テーブルの向かいからゆさゆさ体を揺らされて、ぱちくり瞬きした寧々だが、すぐ瞼が落ちてしまう。飲み始めて2時間、最初は和やかなムードだったのもつかの間、3缶目を開ける頃には怪しくなって。

「寝ません!……捨てるのは勿体無いし、……それ……に……」
「また寝てるだろう」
「ぐう…………はっ!……ぐう……」
「もういっそ寝に行ったらどうだ」
「だってせっかくお休みの日ですし、昴さんを一人にするわけには……ぐう」
「おい、寝ながら喋るな」

様子が面白くて、笑みを含んだ昴の声が彼女をなじる。テーブルに突っ伏している寧々を運んでやろうと近づいて、後ろから持ち上げるべく脇の下に手を差し込むが、力の抜けた人間の体は重く、頑なだった。

「ほら、起きてくれ。ちょっと目を覚ますだけでいいんだ。ベッドに行こう」
「寝ませんってば……!ほら、昴さんも座って、続き……ぐう」
「……今気がついたが、これは悪酔いの一種か?」

座れと言われて寧々の背中に腰を下ろす昴。机から彼女の体を、後ろから抱え込む形で優しく剥がした。昴にくったりもたれかかる彼女は、自分で体を動かすのをままならない。

「ほら、水を飲め。明日に残るぞ」
「んっ……んん……ぷは、はぁ」
「あぁこら、零した。タオルか何か……」
「大丈夫……、すや……」
「何が大丈夫なものか」

後ろからじゃ飲せづらかったのか、口の端からこぼれ落ちた水は寧々のシャツを濡らす。近場のティッシュで拭いてやるが、どうも彼女の反応が鈍い。

「すや……」
「待て、ここで寝る気か?参ったな」

彼女の体は熱く、密着する部分から熱がありありと感じられる。赤くなった頬に、耳、昴はジロリと見た。今ならどんな遠慮のない視線だってバレやしない。水浸しのシャツが張り付いて、下着の色が浮いている。ウエストに回した男の手が、怪しげに肌をなぞった。

「寧々さん。起きないとイタズラするぞ」
「……」

すう、すう、呼吸の音が聞こえるのみだ。耳元で囁く昴の声は届かない。なあ、とダメ押しで語りかけたら、息が当たるのがくすぐったいのか寧々は身じろぎした。

「ふー……まったく。本当にしてしまうぞ」

持っていた缶ビールを揺らすと少し残っていたので飲み干す。これで二人合計12本は空いた。
より彼女をこちらに引き寄せて耳の下にキスをする。酒の匂いと女性の匂いがやけに昴に熱をもたせる。
寧々の顔に手を添えて角度を変えると、かぷりと唇に吸い付いた。

「んっ、んん……!っは、……はぁ、昴さん、」
「ふ……っ起きたか?」
「んぅ、……ふ……ぁ……ッ」
「!……はあ、あなたもやる気か……?」

むこうから舌を絡められて、昴の胸がドクンと疼く。じゅるりと、合わされる唇からこぼれ落ちそうな唾液を拭って、また求めあった。
むこうもやる気と言うよりは……寝ぼけているようだ、キスの途中でまた瞼が落ちてしまった。

しかし体をまさぐる昴の手つきはもっと淫らにうごめいて、服の中に侵入する、胸を揉みしだく。酔って半分寝ている寧々の体を欲しいままにするのはそそられるのだ、止められない……!

んちゅ、んちゅと長々口付けあっているうちに、すっかり体が反応してしまった昴が下半身をぐいと押し付けた。張り詰めたそこを布ごしでも彼女の体に擦ると、思わず熱い息が出る。

「っふー、カラダ、起こすぞ、」
「ぐう……」

寧々を持ちあげて、ソファに上半身を預けさせた。マットレスの上に膝をつけて、お尻を突き出す形で昴に背中を向けている。彼女はくたりとソファに頬をつけて、無意識に熱を布で逃がす。そんな寧々に後ろから抱きついて、昴は首筋に舌を這わした。

「ッ寧々さん、体中が熱いな」
「……ふぅ……はぁう……」
「興奮したんだろう」
「ん……ッ……ぁ……」

スカートをペロリとめくって下着を指で触る。何度も何度も甘く引っ掻いて、撫で付けて、そのうちぐじゅぐじゅになったそこをまた強く刺激してやると、微かに甘い声が漏れだす。

「本当に寝てるのか?こんなに濡らして」
「は……っぁん…………ぁ……っ」
「熱くて……。凄くいやらしくなってる」
「……ん、……ふぁ」

低い声で責めたあとは、ねちっこく耳を舌でなぶって吸う。すると半端におろされた下着にトロリと愛液が垂れる。入り口を人差し指の腹でなぞれば、もっと溢れた。それを指先で感じて、昴はごくりと唾を飲む。

「……っ我慢できなくなってきたんだが……」

ジーパンの下の窮屈さに耐えきれなくなって片手で雑に前を開ける。露出した性器を待ちきれないとばかりに太ももに擦り付けたら、先走りでぬるりと滑った。
ここまでしてもくたりとソファに胸を預けて、されるがままの寧々を見下ろして、バックで。

「寧々さん、しても、いいか……?」

体を起こした昴が、寧々の股の間に性器を入れて擦り付ける。両足を閉めて、ももの隙間に埋めたり出したりして快感を得る。
たまに気持ちいいところに当たるのか、寧々が甘い声を出す。お互いの体液が混ざり合って、にちゃにちゃやらしい音が響いた。

「っはあ、はあ…………っは……ダメだなこれ」
「んっ……ふぅ、はぅ、ぁん……」
「入りそうだ、このままっ……」
「は……ぁぁう……つ」

ズプ、と一瞬入り口に先が入り込む、がまた抜けて……を繰り返す。さすがにこのまま入れてしまうのはと懸念するが裏腹に、徐々に徐々に奥まで入っていっている!

「あっつ……、ナカ……ッ」
「っゃ、ぁう……、はぁ、ハア……」
「……しまった、ナマだ……」

うわごとのように昴が呟く。ズン、と奥まで差し込んで、根元まで。ならされてないナカがみちみち広げられて、寧々は呼吸がひどく乱れた。びくん、びくんとナカが収縮するから、多分、

「イッたのか、寧々さん。……っ寝てるのに」
「ふぅ、ふ、っはあ、はぁ……ッ」
「ぐ、……ああ、良い……」
「んん……!」
「……ナカでは、出さないから。動くぞ」

区切り区切り言わないと、気持ち良さに飲まれそうで、昴は慎重になる。言っても届いていないはずだが、でも俺は一応聞いたから、と自分に言い訳して、ゆっくり入り口までモノを抜く、奥までまたゆっくり差し込む。
指も入れてなかったナカはキツくてたまらず、なかなか思うように動かせない。

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