アナウンサー | ナノ




3

 
「―は、はぁ、―……?」
どうやら気がついたらしく、ぱちぱちと瞬きを繰り返す森山。
漸く思考が追い付いたそうで、大きな声をあげた。

「あなたたち、なにっ…してるん、です、か…!」

湯に太ももまで浸かり精行為をしている後輩たちに動揺を隠せない。

「ぁんっ、森山先輩、おはようっ、ござ、い、ますぅ…」

「いや、そうじゃ、なくて」
検討違いの言葉を言う藍に、森山は顔をしかめた。
そこへ窪塚が鬱陶しいといった声で詰る。

「森山先輩、何してるのかってのは俺たちじゃなくて自分の方じゃないすか」
「え?……え!?…え…………」
「風呂のなかで出さないで下さいよぉ」ずっずちゅ
「え…嘘でしょ」
「ムセイとかだらしないっすね〜」
「え?」
「先輩、すみません……んっ、わ、私がっ…握ったせいで…っ」
「ぇ、あ、あ―…。なるほど。これはムセイじゃない」
「ムセイっすよ」
「ムセイじゃないですから!」もにゅん
「ひゃうっ」

涙目で窪塚を睨み付ける先輩のその手は藍の胸を鷲掴みにした。

「いきなり叫ばないでくださいよ」
「あなたがこうしたんですね…いけないひと…だ」
「ぁ、む、むね、だめなの…!」
「…意識のない僕をさんざんせめたのに?」

まだ熱に浮かされたような顔をしながら、問い詰めるように藍を責める。
甘えたような声が、彼女に熱をうつしてしまう。

「ぁ、あ…それはぁ…あっ!」

「森山先輩邪魔しないで下さいよぉ、今俺がヤッてんですから」ぱちゅぱちゅぱちゅ
「ぁっ!窪塚、先輩!そんな、おくぅ、気持ちよくて…ダメぇ……!」
「ここっすかぁ」ばちゅっ…!
「ひうぅっ!そこぉ…!ぁっ!ゃっ!」がくがく
「奥突かれるの駄目なんすね〜」ぐっちゅぐっちゅ
「あっ!はっ!窪塚、せんぱぁい、い、いく…!!!!」びくっ
「――――ぅ…わ…!」びゅぅっ
「…ぁ、はぁ、……ぁ……」

窪塚が強く腰を打ち付けて残りのものを中で出す。
入り口から彼のものが垂れて、水面に落ちた。

「もう終わりました、か…」
「…そっすね…」にゅる…
「藍さん…、大丈夫ですか」
「ぁ、…は、はぃ…」
「そうですか…窪塚…、かわりなさい」
「ちっ」
「僕が寝てるのをいいことに二人だけで楽しむだなんて、舌打ちしたいのは僕ですよ」
「……ぁ…!」
「大丈夫だそうですから、遠慮なく……」ずぷっ―!
「…ぃ、あっ!!!」
「イったばかり、だからで…しょうか、きゅんきゅんしてます」
「あぁっ!ぁ!あぅっ!…っ!」
「胸すげー揺れてるっすよ、ぶるんって。……ほら、藍さん、舐めてください」
「ぁ…ん…」れろ…

森山はそれが面白くないのか、
打ち付ける腰が激しくなる。

「そんな、よゆうが、あるでしょうか、ね」ぱんっぱんっ

「はぁ、んッ!…は…あっ!ぁぅ!……ん…!」じゅぷ…
「っはー…気持ちいい、…なんかまだ藍さん余裕っぽいっすよ」
「違っ…あぁっ!!」
「…なるほど、まだよゆうだと…」ばちゅっ
「ぁっ!森山先輩!激し……っく…!ぁ!…はっ!」
「あー藍さん、その顔ヤバイですよ〜、また俺イケそうっすもん」ぬりゅ…

藍の口から出た涎を拭き取るように窪塚のものが押し付けられる。

「ーっ!ふ…!もう、駄目ぇ……――っ!!!」ビクッ
「―ふ……はぁ、」ぐちゅっ
「ひっ!だっ、め!や!ちょっと、まってぇ!」
「あー、藍さん、すみませ……僕、止まれそうになくて…」

ぐっちゅぐっちゅ――
乱れた息使いと淫らな音が二月の空に溶けていく。
藍の影が大きく揺さぶられたかと思うと…

「ゃ!ぁ!っ!〜〜〜!!!」ひくっひくっ

がくりと体を落とした。

「――は、……く」びゅるっ
「ひぅ……っあ!?」

「まだ、できそうで、す…!」くちゅっぐぷっ

「あぅぅ…そんなっ…!ぁ!や!やあぁっ!!」

「藍さーん、俺の、飲んでくださいよ〜」ぺちぺち

「ぁう……」





………

後日

―ぁんっ、あんっ

「すごい過激な内容になりましたね〜」
「不況だからアナウンサーもこう…露出が多くなりますね」
「これ放送できるんすかねぇ」
「さぁ…しかしこれがあればいつでも(ゆするなどして)藍さんとヤれるってことですかね」
「えっ森山先輩ってもしかして天才……?」



ばたばたばた
ばたん!
血相を抱えて藍がモニター室に入ってくる。

「プロデューサーに聞いてきました、お蔵入りになるそうです!」

「「ですよね」」

「そのマスターテープは返してください!」

「なんで?」
「それはできない相談ですね」
「はぁ!?何言ってるんですか!返してください!」
「あなたの低身長では僕が高く持ち上げたテープに届くまい」
「何バカなこといってるんですかぁ!」
鈍い音をたてて藍の正拳突きが森山の腹に全力できまった。
「いっ!」
「返してもらいましたからね!」
森山が痛みで床に落としたテープをつかんで藍はモニター室を後にする。
だが彼女の苦労はこれからだった。


「まぁダビング版を俺が持ってるんすけどねぇ」
「ねぇ」

end

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