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「い、いけません先生!」
「何言ってんだ、本当はこういうことされたかったんだろ」
「そんなことないです」
「そんな緊張しなくて大丈夫だ、これからお前は俺の大人なセクシー☆テクニックで直ぐに気持ちよくなるんだからな」
「先生…」
数学教諭の西乃園先生に呼び出されてきた旧校舎の空き教室。
そこで全裸に白衣を着た先生が私を押し倒して今に至る。
私の通う高校は、中高一貫の私立で、特に高等部は選りすぐりの美男美女が集まると有名だった。
こんな漫画のような学校に家から近いと言う理由で選んで、たまたま入れたのはなんと言う偶然か。
その学校のなかでもイケメンの先生に押し倒されて、私はパニックになりなった。
先生の緑色の漫画みたいな髪が色っぽく私の肌にかかる。
先生のまんがみたいな顔が私に近づく。
そんなとき、
「お待ちなさい!」
「誰だ!」
鍵をかけていたはずの教室のドアが空く。
「お前は…メガネ!」
「いかにも私が生徒会会長の水無月礼二だ!何をしているんですこんなところでこの変態ショタ教師が!」
「メガネ、今俺たちは忙しいんだ。成績1にされたくなければ出ていけ」
にらみ会う二人…、生徒会会長水無月先輩と言えばこの学校のなかでも最高級のお坊っちゃまだ。
漫画みたいな青い髪を右で分けて、清潔かんのあるメガネが印象的だった。
「そこのあなた!」
「はいっ」
「はやくこちらに来なさい、それともこの私よりあのロリコンを選ぶのですか!」
「えっそんな…」
私が返事に困っていると、さらに鍵がしまっていたはずの教室の後ろのドアが空いた。
「やれやれ、西乃園先生。可愛い教え子に手を出すなど担任失格じゃないかな?」
「お前は保険医の名前忘れたやつ…何しにきたんだ」
「いかにも保険医の綾川だけれど…その生徒を解放してくれないかなぁ。今夜は僕と一夜を共にするんだからねぇ」
そう言って綾川先生は私にウインクを飛ばしてきた。気持ちが悪かった。
綾川先生もエロすぎる保険医として校内では有名だった。
その妖艶な紫色の髪が彼の左目を隠している。その目を見たものは快楽から逃れられないと言う噂だ。
「それにね西乃園先生、私とあなた、教師キャラだけではなくて白衣キャラまでかぶっているんだからね!」
「「「!」」」
三人が息を飲んだ。
確かに、西乃園先生と綾川先生は二人ともが白衣だ。
「あなた数学教師なのになぜ白衣を着ているの?」
「確かに、ずっと疑問に思っていました…西乃園先生はなぜ常に全裸に白衣なのでしょうかと…!」
水無月先輩が呟くように本当のことを言った。
私もずっと疑問に思っていた、この白衣はなんのための白衣なのかと…。
「俺は美術部の顧問だからな、絵を描いている最中に体が汚れるわけにはいかないのさ」
「でも普段から白衣を来ている必要はあるのですか・」
「つまり、この男はキャラ付けのためだけにわざわざ僕と被る白衣をきているってことだよ!」
「そうじゃねぇよ、なぁお前」
「私にふらないでください…」
しばらくの沈黙、西乃園先生への冷ややかな目、それを破ったのは他でもない西乃園先生だった。
「わかった、お前らがそこまで言うならこいつの体に聞いてみたらいいんじゃねぇか」
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