「「「………で?」」」

「…黙っていてすいませんでした」


寝ているベットの周りを囲っている無駄にでかい男達に謝る黒子。
立っていても大きい所為で迫力がある彼らが寝ているせいで余計に大きく感じ威圧感をを覚えた。しかも睨みつけられながらというオプション付きだ。それに素直に謝らないのは勇気ではなく無謀だ。
しかもその睨みは現在進行形だ。




「……もうその辺にしておけ」


そう言ったのは、1人だけ周りにおらず優雅に紅茶を飲んでいる赤司だ。
ここは黒子の部屋で豪邸とかではないはずなのに、その姿は背景に薔薇が育てられているガーデニングを想像させる。性格に少々難はあるが彼は王子様気質がある。



「テツヤも十分反省している。……そうだろう?」

「…はい」


一見黒子を庇っているように聞こえる台詞だが、確認をとる時の言い方に、まさかやる筈がないよな?と聞こえてくるのは何故だろうか。
黒子はそう思いながらも頷くしかなかった。









「……これからどうするんスか?」


皆で(黒子はベットで寝ながら)騒いだ後、疲れたのか寝てしまった黒子を確認してから黄瀬が話し出した。
そして、その言葉に彼らの笑顔だった顔が無表情になる。
待っていたのだ、この時を。まだ誠凛が大切なのだろう黒子を思い、彼等は今まで待っていたのだ。黒子が寝てしまい、話が出来るようになる時を。



「誠凛は潰す。これは決定事項だ」

赤司の言葉に全員が頷く。黒子寝ている今、発言を気にする必要などありはしない。


「問題はどうやるかなのだよ」

「捻り潰しちゃえば〜?」

「ぶん殴ればいいんじゃね?向こうもテツ殴ったんだし」

「馬鹿っスか!?そんなことしたら大会出れなくなるっスよ!」

「それにだ。テツヤを傷つけた誠凛と同じ方法を使うつもりか?」

「「…やっぱ止める」」

「全く、お前らは血の気が多すぎるのだよ!もっと他にあるだろう。おは朝占いに問い合わせるとか、呪うとか」

「真太郎、それは現実的ではない。やるのならもっと成功率の高いやり方にしろ」

「「「例えば?」」」

「殺し屋に依頼するとか」

「「「過激!!」」」



赤司の発言に突っ込んでいる彼らだが、殺すことを止めろと言わないのは黒子を傷つけられたことに、それほどの殺意と憎しみを抱いているからなのか。
ともかく彼らのプチ会議は結論が出ることなく、黒子が目覚めた事によって終了した。

後に、赤司が言ったことと似たようなことが起こることになろうとは、誰も知らないことである。そしてそれは、もう少し先のお話。




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