滅却師と死神は…
1話
2013.03.25start

☆まえがき★

原作ベース。
最終章で、一護・チャド・織姫がネル達と共に虚圏に行く時、滅却師は虚を滅却する為に居るから虚圏には同行できないと、雨竜だけが現世に残ったでしょ。
そのあとの、一人残った雨竜たんの複雑な気持ちを書いてみました。
滅却師と死神が全面戦争になってしまって、一護を好きという感情と、滅却師としての立場とで、揺れる心。
一護とはすでに恋人同士です。



夜の青い闇には、どうにも人を心細くさせる作用があるらしい。


子供の頃に覚えた闇への恐怖とは違う、言いしれぬ不安に雨竜は眠れぬまま、もぞもぞと、その日何度目かとなる寝返りを打った。


久しぶりに迎える、彼が不在の日々。


中途半端にカーテンの閉められた窓から差し込む、ほの暗い月の影。


淡い月明かりの欠片さえも何故だか妙に気に障って、雨竜はパチパチと冴えてしまった目を瞬かせる。


元々、不眠症のきらいはあったけれど、いつもならば、そういう時には恋人がちゃんと眠れるまで自分に構ってくれる。


だが残念ながら、彼は今、現世にはいない。


だから鬱陶しい程に抱き締めてくれる腕は、今の雨竜にはない。


孤独を癒してくれる、優しい陸言も。


「黒崎………」


胸を圧迫する寂寥感に負けて、ポツリと恋しい人の名前を呟く。

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