短編ログ | ナノ
小指の意義

獄寺さんがあなたの右腕なら
私はあなたの小指、かな?

そう言って笑った私に
あなたは、少し驚いたように


「何を言ってるの?」


と返した。そして笑った。
何って言われても、ね。

私はあなたの小指のポジションってことだよ。

その言葉の意味のまんま。
私はあなたの小指くらいの存在だよ。

鉛筆を持つにも必要ないし
お箸を持つことにだって別に。


「だからね、私は小指なの。」


獄寺さんのように、あなたを守れないし
山本さんのように、あなたの力になれないし
京子さんのように、あなたを喜ばせることも…

私には、無理。でしょう?


「獄寺さんは、あなたの右腕。」

「山本さんは、あなたの左腕、」


「…だから私は小指。」


小指はあっても無くても変わらないでしょ?
だから、あなたには私は居ても居なくても
関係ないでしょ?
影響ないでしょ?
問題ないでしょ?

だから、私は小指。
あってもなくても、どっちでもいい存在。

今の私には表情があるのかな。
あったとしたら、今のこの顔は
あなたには見せたくないかな。

きっと…嫉妬に狂った顔してる。
たぶん…泣きそうな、悲しい顔してる。

だって私はあなたのことが
だいすきだから。


「何言ってるの?…小指はね、」


ほら、こうやって君と約束をする時に必要でしょ?


「……つ…な、」


堪えて。
流さないで。
流れないで、涙。

ありがとう。
小指の私、存在の意義を見つけたよ。

つな、ありがとう。
私…あなたのことすきだよ。


end

20100627
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何が書きたかったんだろう…

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