短編ログ | ナノ
適温のわからない熱をぶつけて

こんなダメ人間にもさ、
やさしくしてくれる幼馴染もてて兄ちゃんはしあわせだよ〜
どうしたそんな顔して、もっと飲めよ〜今日は俺のおごりだぜ? あ、俺がこんなこというからおどろいたって? だって弟たちに捨てられてやさぐれてたとこにおまえからのお誘いだったもん。たまには素直にきもち伝えてみてもいいかなってさ。
あ、いつも本能のままに生きてるって?
まぁおまえの言う通り、俺は自分の欲求のままに生きてるけどさ、はたらきたくないーって親の脛かじって生きてるクズニートが俺。そんでお前は立派な社会人なわけな。ん?酔ってるかって?まだ酔ってねぇよ? 飲みすぎ?んな飲みすぎるほど飲んでねえって!まだ三杯目だろぉ?
まあ聞けよ、こうやってクズニートでパチンカスな俺と、真っ当に社会に出て働いてるおまえでしょ。見限られたって疎遠になったってなんら不思議じゃないのにさぁ、俺のために時間つくって会いにきてくれたり、一緒に酒飲んだりしてくれてさ、感謝してるわけよ、俺は。
あ、あんまり信用してない顔だなそれ。ふふん兄ちゃんにはなんでもお見通しなんだよなぁ〜!ま、でも…ほんとおまえってやさしいやつだよ。はぁーお前また変な顔してる。信じてねぇの?これまじだって、ほんとほんと!俺の本音だって。あと、俺、おまえのことすんげーすきだから。
………。
なぁ、ちょっとは反応してくれよ。なんか俺がスベッたみたいになってるじゃんか。放置とか兄ちゃんのガラスのハート傷付いちゃうよ〜? つかこっち向けって……なに真っ赤な顔して、
えっ?
俺今そんなこと言った? うそだろ……ほんと? うわ、まじだせぇ…俺そんなことまで言うつもりなかったし。あー、ごめんやっぱ今のなしで!すげえダセェじゃん俺。もっとこう…さ、なんていうかその、こんな感じで言うつもりなかったっつーか。あ、なに笑ってるんだよ〜!俺にだって理想の告白プランがあって、
あっ
今のも無しで……や、まじほんと勘弁して、俺あんなことこの流れで言うつもりなかったし。いや、もっとまじめに伝えたかったっつーか、
あ…
なんか喋れば喋るほど墓穴掘ってるって?ぼけつってなんだよ、知らねぇよ。え、なに?俺のかっこいい顔が真っ赤だって? それさぁ…お前が言う? お前も十分顔が赤いっての!あーかわいいなぁ俺の幼馴染まじかわいい!あー、もういっかバレちまったし。俺、お前のことすきだよ。
だからさ、付き合ってよ名前。俺とお前なら、いろいろ相性がいいと思うんだよねー!それに、あの兄弟の中でいちばん安泰なのって俺だと思うんだよね。だって、市内に一軒家だぜ?すごくね?
あいつらの中で一番かっこいいのは俺だし、一番いっしょにいたのも俺だろ?何だかんだ言って、お前のこと一番知ってるのって俺じゃん? なんたって長男だし、その、さ…お前のためならそろそろ本気だして働いてもいいかな〜とかさ………なんとか言えって、ふつーに恥ずかしいだろ!
その…返事とかはすぐしなくていいから考えといて!じゃな!

(言い逃げとか、ふつーにカッコわる俺!)
(でもあいつ、嫌な顔とかしてなかったしもしかしたら脈アリ!?)
(あ、でもあいつ…人に何か頼まれても断れないタイプだったわ〜)
(うっかしりてた…)
(推しに弱いからっておっけーされてもそれはそれでなんかヤダ)
(あ〜〜〜)
(次に会うときどんな顔して会えばいいんだ?)
(も〜〜!)
(ごちゃごちゃ考えるのとか兄ちゃん苦手だよ〜〜)
(でもこんなこと弟には相談できねぇし)
(でも、まぁ…)

(あいつ以外に一緒にいたいって考えられねぇし)
(もしこれがだめでも…俺諦められねぇし)

「どうすっかなぁ〜」

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20160305
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