短編ログ | ナノ
製菓会社の陰謀です

明日は2月14日。何を隠そうセント バレンタインズデーであります。この日の為に密かに練習してきたチョコレートを使ったお菓子づくり。同性の友だち同士で味見し合って、辛口評価をしてもらい改良に改良を重ねた結果(少々お腹や背中の肉付きが良くなったような気もしないでもないけれど…)ようやく満足の行くものが完成したのです。

そうして、気になるあの人へ想いを馳せながら、私は今、ちょこちょこと板チョコを細かく刻んでいる。チョコレートなだけに!チョコ・レートなだけに!(大事なことなので二回言いました)…えぇと、ごほん。

私の国のバレンタインデーは主に女性が男性にチョコレートを送ることが主流になっているけれど、こちらでは、女性も男性も関係なく花やケーキ、カードなどなど。様々なプレゼントを送り合うそうです。しかーし!私はそんな流れには逆らって生きて行こうと思います。

そんな私が、同級生の仲の良い子たち…かっこ おんなのこ かっこ閉じへチョコマフィン。さらには男の子たちへ義理と言う名の簡単なチョコクッキーを作った。それから、お世話になっている先輩方へ。そして、本命チョコと呼ばれるものに取り掛かったのだけれど、一抹の不安が頭をよぎった。

そう言えば…私、彼があまいものを好んで食べてるの見たことがないや。うわーうわー。やらかしたわー。確認する間もなく当日を迎えようとしていたよ。一度疑問が生じてしまうとそれを解決しなければ前にも進めず、後ろにも戻ることの出来ない質の私は、直球ストレートに想い人である彼に質問してみたいと思います!


「と言うことで、レギュラス君。」

「は?」


あまいものはお好きですか?


(そういうことは、内緒にしておくものじゃないですか?)
(いや、でも…レギュラス君があまいもの嫌いだったら迷惑になるだけじゃ)


「ナマエは、男心というものを分かっていませんね。」

「えー レギュラス君だって、女の子の気持ち分らないでしょ?」

「よく聞いておきなさいナマエ。いいですか?男子と言うのは、」

「私の質問は無視ですか?」


レギュラス曰く、見た目や味の善し悪しはこの際二の次で、自分のことを想って、自分のだけのために作ってくれたというところにポイントがあるんですよ!…だってさ。ねぇ、こんな風に言われちゃったら、もう…頑張るっきゃないよね!ね!


(まぁ、ナマエから貰えることが、一番嬉しいんですけどね。)


「ありがとう、レギュラス君!参考になったよ!」

「分かっていただけたのなら幸いです。」

「よっしゃー先輩の分も頑張るぞー!」


(…絶対に言ってなんかあげませんが。)


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20130214
title by カプリッチオ(http://noir.sub.jp/cpr/)
『チョコレイト五題』より

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