短編ログ | ナノ
十月某日の一コマ

「ナールト!」
「わっ…名前姉ちゃん!どうしたんだってば?」
「いや、別段用件はないんだけどね。」
「それなら、気配消して後ろに立つのやめろってばよ!」
「でも、そこはわたし忍者だし。それにもう気配消すのは癖だし。」
「だとしても、びっくりするってば!」
「そこは、ナルトくんがわたしの気配を読めるように成長しなきゃだよ。」
「そうは言ったってば…気配とか、オレ読めねーし…。」
「だーかーらー、読めるように修業するんだよ、そこは!」
「えー!オレはもっとバリバリ忍術の修業がしたいってばよ!」
「敵の気配が読めないようでは、忍術増やしたって無意味!」
「そんなことないってば!」
「じゃあ、奇襲かけられたらどうすんのよ?」
「そん時は、ババッてやってバババッて敵を倒すってば!」
「バババッてやる前に、敵に気付かなきゃダメじゃない。」
「あ…うー…。」
「ダメだこりゃ。」
「そんなことより!姉ちゃん!」
「ん?なにナルトくん。」
「その紙袋はなんだってば?」
「あ、そうだったそうだった。」
「?」
「さっき、別段用件はないって言ったの覚えてる?」
「んー。あ!覚えてるってばよ!」
「あれ、ウソ。」
「ウソだってば?」
「本当はね、今日は君に渡したいものがあります。その用件で来ました。」
「えっえっ!なんだってば?」
「おっ、いつにも増して目が輝いて来てるねナルトくん。」
「何かな、何かな!一楽の割引券かな?一楽のトッピング無料券かな?」
「って、君の頭の中は一楽のラーメンでいっぱいか!」
「オレってば、一楽のラーメン以外のラーメンには興味ねーってば!」
「はいはい。でも、残念でしたー。」
「えー!!一楽のラーメン無料券じゃねーってば?」
「この袋の中に入っているのは…」
「入っているのは…?」


「ホールケーキでしたぁー!」
「わーい、ケーキー!!」
「はい、どうぞー!ナルトくんだけの為に手に入れたホールケーキでーす!」
「何かしらねーけど、ケーキ嬉しいってば!」
「うむうむ。ナルトくんが喜んでくれてお姉ちゃんも嬉しいよ。」
「でも、なんでケーキなんだってば?」
「あれま…この子、もしかして忘れてるの?」
「え、何がだってばよ。…にやにやしてねーで教えてくれよ、姉ちゃん!」
「そっか。ここ最近、カカシさんの班は任務で忙しかったもんね。子守りの。」
「一言余計だってばよ、姉ちゃん!」
「あら、ナルトくん。わたしは事実を述べただーけ。」
「むき〜っ!」
「子守りって言ってもお猿さんの子守りだもん。大変だったんでしょ?
 サスケくんなんて、見てるこちらも萎えるくらいにげっそりしてたもの。」
「さっ、サスケのことなんて、今はどうでも良いってば!」
「何よ、ムキになっちゃって…ナルトくん、それはただ可愛いだけだぞ。」
「可愛いって言われたって、男はうれしくねーもん!」
「そんなにほっぺた膨らませて…本当に子どもみたいね。うりうり〜」
「って、そう言いながらオレのほっぺたつつくなってばよ!」
「あらまぁ。ふふふ、ごめんね。」
「べ、別に良いってば…。」

「ふぅ。それなら、仕方ない。日付感覚が全くピンときてない君に
 お姉ちゃんから教えてあげよう!今日がどんなに素晴らしい日かを!」
「だから、そのにやにや顔を止めろってばよ!」
「こっちからしたら、今日はにやにやデーなんだからそこは多めにみてよ。」
「にやにやデーって何だってば…っ!」
「ナルト、目瞑って?」
「えっ、あ、うんってば…」


\ハッピーバースデー ナルト/


「ねっ姉ちゃんっっ!!?今の、今のっ!?」
「これで君も、また一段。大人の階段を登ったのねっ!」
「ほっぺた、に何か、やわらかくて、あったかいのが…ぷにって…きゃー!!」
「なんだなんだ? ふふふ、耳まで真っ赤にして…。」
「みっ、見るなってばよ!うわぁぁあああ!!!」
「だからね、ナルトくん。それは可愛いだけだってば!」

(ほっぺたにちゅーしたくらいで、こんなに真っ赤になるなんて!)
(ふふふ、まだまだナルトくんはお子様なんだねぇ〜)


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20121010

うまれてきてくれて ありがとう。
これからもわたしに元気と諦めないド根性をわけてください。

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