ベルフェゴールはその日、朝早く名前の部屋に訪れていた。
名前はどちらかと言えば、朝型人間なので、起きていた。
「名前!」
「あぁ、ベル」
「今日は――――ほら、」
「え?」
ベルフェゴールはそう言いながら、名前の前に手を出した。
その姿は、どこかわくわくと興奮しているようだった。
「はい」
「はい?」
「……はい?」
「……?」
名前は訳が分らないというように、目をぱちぱち瞬かせた。
最初は勢いのあったベルフェゴールも、あれ?と言った風に首を傾げる。
「………」
「?」
「………?」
「ベル?」
手を出した状態で動かなくなったベルフェゴールを不思議に思い名前が声を掛けた。
その声で、ベルフェゴールは一旦機能を停止していた思考を何とか復活させた。
「……オマエ、今日が何の日か知らねーの?」
「え……知らない。」
「は?マジで?」
「え……マジです。」
ベルフェゴールは落胆したように、肩を落として項垂れた。
そして、最終的にはスクアーロやルッスーリアに(心の中で)八つ当たりをした。
「アリエネー。マジでコイツありえねー」
「ぇええ、どうしたのっ?」
「誰か今日のこと、名前に教えとけよ!」
そうして、だだをこね出したベルフェゴール。
名前は優しく宥めたが、ベルフェゴールはどこかしらしょんぼりした様子でいる。
「…今日は、王子の誕生日なんだぜ?」
「ぇええ!そ、そうなのっ!!!」
「…そうそう。バースデーなのバースデー!」
「お、おめでとう、ベル!!」
「……あ、りがと」
名前のお祝いの言葉一つで元気を取り戻したらしいベルフェゴール。
そのあと、二人は名前の部屋を出て、ケーキバイキングをしたらしい。
(って言うかさぁ〜、なんで名前は王子の誕生日知ってないの!?)
(知ってないのって聞かれても…と言うか、逆ギレですかっ!?)
(王子の誕生日なのにっ!鮫でもオカマでも教えとけよっ!)
end
20101222
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ベル君はぴば!
ところでタイトルの「教えとけ!」ですが
『とけ』って言うのは、方言なんでしょうかね?
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