短編ログ | ナノ
サプライズ!

談話室にて。


「あ、スペルビちゃん」
「ちゃん言うなぁ!」


私はヴァリアーに務めている。
ボスから新たな任務を任され、出発前にソファーで寛いでいると、そこへ同寮の彼がやって来た。


「まぁまぁ、そんなカッカしないの」
「誰がさせてるんだぁ!阿呆お!!」

「阿呆じゃないよ、私は馬鹿なんだよ、鮫。」
「鮫って言うなぁ!」

「あーはいはい、スミマセンでしたね スペルビちゃん」
「だからちゃん言うなっつってんだろお!!」

「あはははっ アンタって面白いね」
「こっちはちっとも面白くねぇぞぉ」


私がちょっと彼をからかうと、彼は面白いぐらいに反応する。
その反応がいちいち面白いので、私はいつもベルと一緒に彼をからかって遊んでいる。


「ところで、今から任務?」
「ちげぇ…帰ってきたとこだぁ…」

「そうなんだ…私、今からー」
「…ぅお」

「じゃあねぇ〜」
「ま、まて!」

「そ、その…まぁ、なんだぁ……気を付けてなぁ」

「………」
「………」
「………」
「………」


「………っぷは!!」
「わっ、笑うなぁああ!!!」

「いや、だってっ ははっ」
「うお゛ぉいぃ!」


まさか、彼からこんなお言葉を頂く日が来ようとは…
しかもしかも、顔を赤らめて恥じらうオプション付きで、だ。

正直言って、私は驚いていて言葉が出て来なかったのだ。
そして、何だかとても嬉しくなったことも事実。


「やっぱ、アンタって面白いよ」
「はあ゛!?」


「ありがとね、いってきます。スクアーロ」
「…っ!!」


同寮に見送られて、私は出発する。
あの彼の驚いたような、照れたようなさっきの顔は見物だった。


サプライズ、サプライズ。


end

20101214

::108::

×||×
ページ: