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必死で歓喜の悲鳴を耐えた私は

とりあえず驚きと感動でドキドキ脈打つ心臓をどうにか押さえつつ木陰に座り込んだ。



うわーちゃんと腹筋割れてる・・・


「あ、いたいた!ロイドっ!」


「わ!」


びっくりしたー!!!

嬉しそうにながい金髪を揺らしながら駆け寄ってくる女の子は・・


「・・・これっと?」

「あ!ここだね〜ロイドが行ってた素敵なところって!」

あー、心臓どっか飛んでいくかと思った・・・。



コレットは当然のように私をロイドと呼んでさっきの湖に目を輝かせている。

彼女の目線を辿るといつの間にか沈み始めた日がオレンジ色に染まり、湖の水面はキラキラと輝いていた。



「うわ〜綺麗だねぇ!」


「うん、きれいだ・・・」



隣には初めて会った女の子、知らない男の子の体。


違和感は拭えないけれど自分に純粋な笑みを浮かべ話しかけてくる女の子に私は何も言うことはできなかった。

当然ゲームでしか知らないけれどコレットが困ったり悲しそうな顔をするのは見たくないし、コレットにとっては好きな人の筈だ。


ロイドのフリをしようと、自然と気持ちは定まった。



「ありがとうね、ロイド。」


「あ、あぁ」



 会 話 が 思 い つ か ん 




えーっとロイドのフリ、ロイドのフリ・・・


あ、頭撫でてみたらいいのかな?なんか作中で撫でてた気がするし



「///」


すると照れたのかコレットは顔を赤らめて俯いてしまった。


なんだこの可愛い生き物は!!!


「えへへ、ありがとロイド」

「・・・(護りたい、この笑顔・・)」



鼻血でそう。





「そろそろ帰ろうか」

「うんっ、そだね」


騒ぐ胸の内を隠しながら微笑むコレットにロイドっぽく話し掛け帰路に着くことに、


「?ロイド、帰り道こっちだよ」


やっべー!!!

「あ、あぁ!ちょっと間違えた!!」

「変なロイド」



あぁ・・ばれなかった・・。

小さく笑う彼女は本当に天使のよう。

なんとなくで進んじゃ危ないと思って最終的にコレットの隣をさりげなく歩いて村までなんとか辿り着いた。


「おかえりなさい神子さま!」

「はい、ただいま戻りました〜」

そんな村人のやり取りも中々新鮮だ。


まぁなんとかコレットを送り届けることができたみたいなので一安心。

「あ!ロイド!」

「は、はいっ!!」

コレットが村人に気をとられているうちにこっそり離れようとすると呼び止められてしまった。

なんだろうと振り返ると彼女の手にはネックレスが握られていた。


「誕生日プレゼント、大事にするねっ」

「?・・・おぅ!」


ロイドがあげたのかな?

とりあえず返事をしてしまったけどなんの記憶も無い私は首を傾げた。


「じゃ、またね!」

「あぁ!また明日な」





コレットの家を離れて村を探索することに、何人かに声を掛けられてちょっと返事がぎこちなかったりしたけど・・・なんとか誤魔化せた筈だ。

「・・・」

本当にシンフォニアの中なんだな・・・


  
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