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話もそこそこに私はダイクさんに筆談だけど再生の旅に行くという旨とお礼を伝えているとコレットを連れたロイドが家に帰ってきた。


「・・あ、エル!外で先生が明日の段取りについて話があるってよ。」


「(・・なんだろ?)」

ロイドの言葉に頷くと庭でジーニアスとリフィルさんと少し離れたアンナさんのお墓にクラトスさんが居た。



「お話中にごめんなさいね・・明日の日程が決まったの。あとエルの必要そうなものを大体揃えたのだけど・・こんな感じで足りるかしら?」

「(わあ、ありがとうございます・・!)」

持ちやすいようにリュックに詰め込まれた旅行道具は充分過ぎる程あった、急に旅の同行が決まってしまった私へ協会からの配慮だそうだ。




「明日からよろしくね、戦闘については・・あそこにいるクラトスから聞いてくれる?」

「、」

お礼を込めて深々と頭を下げるとリフィルさんに笑われてしまった。

いつも皆を見ていてくれる優しい先生が一緒にいるんだ、旅への心配事なんてほとんどなかった。






「(クラトスさん)」

声を出すことが出来ないのでクラトスさんのマントの裾を少しだけ引くとクラトスさんが振り向いてくれた。


「・・・お前か」


「(・・・?)」


「・・・・・。あぁ、戦闘についてだったな。エル、お前はモンスターと戦うと帰って危険だ。下手に先頭に出ずリフィルの後方で回復アイテムや荷物の管理を頼む」


「(・・知り合いかなぁ)」


心なしかお墓を見つめていたクラトスさんの表情が悲しそうな気がして。

興味が話とは違うほうにそれてしまったが私が小さめに頷くと大きな手のひらが頭に置かれた。


「そう落ち込むな、荷物の管理でも大事な役割だ。」


「〜〜〜っ」


どうやら私が落ち込んでると勘違いをされてしまったらしい。私の頭を撫で始めてしまった。


「・・・すまない、撫でられるのは嫌いか?」

「っ」



そういうわけじゃないけど・・・首を振って答えていると徐にクラトスさんの手が離れて視線を変えた。




「エルっ・・いないと思ったらクラトスさんといたんだね」

「・・神子か」


「クラトスさん、ちょっとエルとお話したいんですがいいですか?」

「あぁ、構わない」


・・・コレット?どうしたんだろう。

顔を見るとあまり元気そうではなかった。




「・・・・」


クラトスさんがその場を離れるとコレットがいきなり頭を下げた。






「本当にごめんなさい!」


「!?(どうしたのコレット!)」



そんなのやめてよとジェスチャーをするけどコレットには当然見えていない。

手のひらを借りて字を書こうにもコレットの手は彼女の膝で強く握りこまれている、


「神子の役目なのに・・旅に、巻き込んでしまって・・」


「(・・・コレット)」



「それに私っ、信託を受ける時甘えてしまってた。皆と少しでも一緒に入れたらなんて思って・・だからエルが来てくれるって言った時すごく嬉しくって

 ・・・でも神子の試練なのに・・おとうさまやおばあさまにもお願いしたんだけどやっぱり同行してもらうしかないって言われちゃって・・・っ

 


 ・・・・取り返しの付かないことを・・・っ」



誰よりも優しくて責任感の強いコレットの本音、私は堪らずにコレットを抱きしめた。



こんなに優しい友達なのに。名前すら呼ぶことが出来ない自分にはこんな事しか思いつかなかった。




「・・・エル・・・?」



コレットがこんなに1人で背負い込んでるなんて知らなかった・・けど考えみたら当たり前だ。

産まれた時から神子さまと呼ばれて、期待を背負わされて、ずっと頑張ってきたんだ。


村でコレットをコレットと呼ぶ人間はごく僅かしか居ない事を私は知ってる、


・・辛いんだよね・・・苦しいんだよね・・・。



「・・・っ」


「泣いてるの・・?」


「・・・(わたしは神子じゃなくてコレットの事が大好きだよ)」



視界が濡れて見辛くなったけど構わずコレットの握られて赤くなった手のひらに指で文字を伝えていく。


「(・・だから私も一緒に旅が出来て嬉しいよ?)」


「エル・・ありがとう・・・」



コレットにいつもの表情が戻っていくのが見れて少し安心した。



「・・ごめんねエル、」

「(気にしないで)」


笑顔を返すとコレットも笑ってくれる。

少しイセリアでの思い出話もして落ち着いてきた頃、真剣な顔のコレットがまた話し始めた。



「ねえエル、お願いがあるんだけど・・・・」



「?」








  
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