び、はじまりの日



あの日から僕と陸はずっと家族で、これからも大切な家族で在り続ける。陸は僕のことを溺愛するし、僕も陸を大切にする。譲くんにブラコン兄弟ってからかわれても、僕も陸も自覚しているから別に気にしなかった。そんな僕らをみて、譲くんは優しく笑ってた。

だからこそ、あの日陸と再会した生徒会室で、

「兄弟だったのか! 似てないんだな!」

なんて笑顔で言う道哉が怖かった。僕と陸を兄弟じゃないものに変えてしまいそうな彼が怖くてきもちわるくて。
だめ、あれは僕の中に土足で入ってくる者だ。僕らの仲を引き裂く者だ。警鐘が鳴る。

道哉に近づかれたら、家族の形が壊されてしまう予感がした。

だから僕は。

「君のことが嫌いだよ、」
道哉。


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2010/03/21/

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