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0226



こんにちは、puffです。
U149古賀小春ちゃん回について書きます。
ネタバレ有りなので注意。
あらすじとか分かってるテイで書いてます。あとめっちゃ長いです。
大丈夫な方だけどうぞ!
















記念すべき1回目の感想記事が担当or推しの話じゃないんかーいというツッコミ、有難うございます!(してへんわというツッコミも有難うございます!)

いやでもU149についてはもうずっと語りたかったんですよね。
個々のデレマスアイドル達の性格や性質の軸があって、そこに諸々のお仕事やハプニングなどのネタが絡んで話が進んでいく展開。それがとても丁寧に描かれてて、すごく好みなんです。(あと作品内の価値観とか倫理観が自分に合うので心地いいというのもあります小声。)
ちなみに自分の担当は今のところ佐藤と志希が出てますが、この2人は子どもたちにカッコいい背中を見せる大人・お姉さんとして描かれてて本当に痺れます。

まーそんな感じで自分はU149大好き芸人なんですが、その中でも古賀小春ちゃん回@〜Cは特に完成されていると思ってます。
てかそもそも「シンデレラ」を冠したコンテンツで、お姫様に憧れているアイドルってもうそれだけでおいしいですからね。
その素材と、丁寧なお話の構成と描写と演出が掛け合わさってるわけですよ。美味しいよそりゃ。
ある種「アイドルマスターシンデレラガールズ」の真骨頂のお話の1つなんじゃないでしょうか。

スイマセン前置きが長くなりました

まず古賀小春ちゃんという女の子についてです。(U149時空の小春ちゃんの話になります。)
これまでの彼女の描かれ方って、ゆったり相手に合わせる・他の子を優しくふわっと励ます・場を和ませる・自分のペースを持ってる、というような感じでした。(これは自分がモバステプレイした上で小春ちゃんに抱いてる印象と同じ感じです。)

でもU149第44話、その小春ちゃん自体の良さがアイドル現場ではうまく作動しないという事件が起こります。

「ゆったりマイペース」

これだけ書くと良さそうな事なんですが。
状況が状況なんですよね。

アイドルが司会の、素人参加型動物ふれあい生放送イベント。生なので時間厳守。

このイベントの司会が、この日の小春ちゃんの仕事。

生放送なので色んなことに気を使ってサクサク進行しないといけない現場です。
そのような状況下においても、小春ちゃんはいつものペースでゆったりお話していました。みく始め周りの回しに助けられなんとかうまく行っていました……が

スタッフのミスでおばあちゃん乱入→小春ちゃんに話しかけられて反応しちゃった所で放送の尺が終わる→ブツ切り→軽い放送事故…が起こるわけです。
決して小春ちゃんのせいじゃないことも含め色んな事が複雑に絡んだ事故ですが、これがきっかけで小春ちゃんとPは色々考える事になります。
でも小春ちゃん回の問題点はここじゃない。というかこの事故は問題の「弊害」です。

ゆったりマイペースなのが彼女の良さで、でもたぶんそれだけじゃやっていけないのがアイドルの世界。(あらゆる仕事全てに通じるけど)
じゃあ持ち味の他にアイドルは最低限何を武器として持たなければならないか?という問いの答えが、「自覚」なのかなと思います。

放送事故(って書くと大ごとなんですが)があった後、みくはキチンとスタッフやディレクターにお叱りをして、その後で小春ちゃんに「スタッフのミスでごめんね」と声をかけます。
それに対して小春ちゃんは
「おばあちゃんと話せて楽しかった」
と言います。

問題は、多分ここです。

小春ちゃんに「進行を任された司会という仕事をしている」という強い自覚があれば、あそこで反応しちゃった事とかブツ切りになっちゃった事をまず謝るか、少なくともそこに触れると思うんです。たとえ小学生でも。
でも「楽しかった」という言葉が返ってきたと。みくはそこで色々悟るわけです。
だからみくは言うんですよね。



「小春チャンはもう自分が観客側じゃないって分かってる?」



空気がピシッとなります。
でも非常に筋が通ってると思います。
みくのようにプロ意識が高い子はそりゃ反応しちゃうところではありますよね。それを相手にしっかり伝えるのも彼女の性質上納得できます。
(その後で小学生相手にキツいこと言っちゃったかな…でも本音だし…とか色々葛藤してるみくの描写がまた丁寧ですよね。描き方によっちゃ嫌な奴になる所を、己の正義に則って小春ちゃんと番組の為を思って苦言を呈したんだと読者に分からせてますし、なんならPに電話してめちゃめちゃ不安がってるという不器用可愛さまで伝わってきます。天才かお前は!?と叫びたくなりますね。)(天才です)


ここからまあ色々あって小春ちゃんがPと一緒にみくに話をしにいく流れになるんですが
みくに言われた言葉を受け、自分はどうしたいか時間をかけて一生懸命考えていた小春ちゃんが出した答えがこちら↓

〜〜

小春はできるまでが遅いから みんなみたく教えてもらったことすぐにはできないと思うんです
でも童話のお姫様(プリンセス)もみんなが助けてくれるのは お姫様(プリンセス)自身がステキな人だから
小春もそういうステキなお姫様(アイドル)になりたいんです

「みくちゃんに教えてもらったこと 次の放送でできるかは分からないです〜」
「でも」

「できるようになりたいですっ」

「小春もアイドルですから!」

〜〜


この場面を見て、本当に心臓がギュウ…となるのが分かりました。
(というかここ自分のお姫様・シンデレラの解釈と一緒すぎてびびりました。
このお姫様の解釈については、前にツイッターで「M@GIC」歌詞感想ツイした時に触れてるんですけどそれについてはまたここで語りたいと思います。)

語尾に「〜」が付くくらいゆったりした話し方をする小春ちゃんが、この時は「!」の付くセリフを力強く言ってます。
いつもならゆっくりマイペースに考えてるうちにみんなが答えを出してしまうからみんなに合わせてる小春ちゃん。
そんな小春ちゃんが、自分で考えて考えて考え抜いて、自分で出した答えとその言葉です。彼女の中の姫道精神とアイドルの活動が結びついて出た結論で、これは古賀小春ちゃんにしか出せない唯一無二の答えです。
周りが彼女を待って、彼女自身考え抜いた事で自分の中にあったふわふわとした想いをハッキリと言語化する事が出来た。だからこそ力強く相手に伝える事が出来たのかなと思いました。本当にカッコ良かったです。




でまあ普通ならここで大団円アハハアハハ〜で終わるんですがこっからがU149古賀小春ちゃん回の注目したい所です。



そう、
まさかのみくからのPへの言及

いやまさかすぎました 本当にびっくりしました。
だってだってだって終わる雰囲気じゃないですか 収まる雰囲気じゃないですか、漫画的にも。
でもそれを終わらせない 一波乱のあとにさらに大きな波乱を起こす、
小学生に考えさせてゴメンナサイさせるだけで終わりじゃない、
これが「アイドルマスター」なんだって思いました。これはPの成長物語でもあるんだって痛感というか再確認させられました。


「その子の良さを守るのと
甘やかすのは違うと思う!」

コンテンツ史上に残る言葉になるんじゃないでしょうか。少なくとも自分は大事にしていきたい言葉です。

で、これを言われたPは分かりやすく落ち込むというかグサッときてるわけですが
もう小春ちゃんは次のステージに立ってるんですよね。

おめかししたペットと素人の飼い主さんを壇上に上げて話を聞いていくペットファッションショーで、小春ちゃんの進行のペースが上がって良い感じになってます。いつもの小春ちゃんのゆったり感をを知っている周りのスタッフやアイドルはそれに気付いています。

そんな所へ激アガりした飼い主さん登場。
天使と悪魔のコスをした謎の動物2匹を連れてます。
でも、みくも審査員の優ちゃんも聖來さんも珍しいこの動物が何なのかさえ分かりません。

そこへ小春ちゃんの「ミーアキャットですね〜」というナイス解説。

で、ペットのことを色々聞くんですが飼い主さんはアガリっぱなし。ファッションショーなので衣装の事を聞いても、うまく答えられません。
これには場慣れしてるみくも困り、どうしよう…!という雰囲気に。

小春ちゃんは、飼い主さんがしどろもどろでわたわたアワアワと繰り返す「ミーアキャット」「群れの習性」と「2匹ともメス」という情報を拾って瞬時に考えます。
そして、

「もしかしてこの2匹は仲良しじゃないんでしょうか〜?」

という最適解の言葉を導きだします。
(この仲良しじゃないんでしょうか〜?というゆったりした聞き方も、緊張してる飼い主さんを安心させる感じで上手く作用してます。)

飼い主さんの「そっ そうなんです!」を受け

みくの「なんでわかったの?」のサーブ

小春ちゃんの「ミーアキャットは女の子がリーダーなので女の子同士はケンカすることがある」という知識のレシーブ

飼い主さんの「片方が片方をいじめることがある」という情報のトス

「だから天使と悪魔の衣装なのニャ!」でアタック!!!

き、決まったーーーーー!!!!!!!!!!!

優ちゃんの分かりやすい補足も良い感じです!

ここ本当にすっごくうまいこと場が回ってるんですよね。
それには小春ちゃんの知識が必要不可欠なわけですが、その知識を瞬時に引き出すことも必要だった場でした。
で、さっきまでの小春ちゃんなら多分、うーんうーんと考えてるうちに時間が来てしまいそのまま流れてしまってたルートもたぶんあり得たんだと思います。
でも自覚が芽生えた小春ちゃんは、場に合わせて頑張って急いで考えたんですよね。
それが功を奏して上手くいった。

聖來さんと優ちゃんがナイスフォロー!と褒めてくれます。
そして、みくからの
「ありがと!」

ここで小春ちゃんは物凄い達成感を得たんだと思います。
「自分が考えて動いた結果、人に感謝された」という成功体験。何物にも変えがたい貴重な経験です。
(これは共演者のお姉さん達がきちんと見ていてくれて、子ども扱いしないで頑張りを認めてくれたのも大きいです。)

自分は小春ちゃん担当外なのでこれはあくまでも憶測でしかないんですけど、出来るまでが遅いとか、みんなみたいに出来ないという発言からそんなに自分に自信がある方じゃないんじゃないでしょうか、小春ちゃん。
そんな小春ちゃんが、

「小春も頑張ってできました〜!」

を得た瞬間なんですよね。
その瞬間の顔は分かりやすい笑顔じゃなくて、でも瞳の中に光がキラキラッと宿ってて、何とも言いようのない、でもとても嬉しくて何か大きな感情があったんだと思います。
それはアイドルの階段を一段上がったのと同時に、「古賀小春」という女の子が自分の中で何かをぐっと掴めた瞬間だったんですよね。
その一瞬に立ち会えたのが、本当に嬉しかったです。


・ゆったりして動物の知識が豊富という個性
・自覚を持って場に適応する力
このどちらかだけでは得られなかった、知識があってゆったりしてて、かつアイドルの自覚を持って場に適応したからこそ出来た仕事

古賀小春ちゃんだから出来た、古賀小春ちゃんじゃないと出来なかった仕事でしたね。

それが、Pの

「好きな事への楽しさと悩んだ先の達成感

どっちかだけじゃダメなんだ」

というセリフに繋がっていきます。

どっちも手に入れたら、もっともっと上に行ける!
小春ちゃんの姿を見て、Pもそういう確証が得られたのかなと思います。
Pも壁に直面して悩んでステップアップしています。かっこいいです。

そして、「次」に繋がる締め方で古賀小春ちゃんの回が終わります。


お姫様に憧れた小春ちゃんは、自分の頑張りによってみんなに支えられ愛されるお姫様のようなアイドルへと成長していくんですね。
それって、「だってシンデレラは頑張り屋でしょ!」の精神だと思います。
だから、この回はデレマスの真骨頂のお話だと感じたんですよね。

数多あるコンテンツの中から「アイドルマスターシンデレラガールズ」を選んで本当に良かったと思えるお話でした。


あとメタいですが
「1人の人間が成長する」って、口で言ったら簡単ですけどしっかり描写するとなるとかなり難しいと思います。
アイドルものに成長というテーマは付き物ですが、それを丁寧に丁寧に描きこんで、読者に納得させるって本当に大変な作業です。でもそれをやってくれる人間がいるというのが本当に有り難いし、ここまで考え抜いてくれる公式の創作者さんがいるっていうことが希望だなと感じました。

そんな作者さんの出してるU149、単行本、買って応援しよ!
(宣伝オチ)



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