和風森ガール



セレネside


「訓練生ーになったーら〜♪
訓練生ーになったーら〜♪」
「とーもだっちひゃっくにーん♪
でっきるっかな〜♪
ひゃーくにーんでたーべたーいな〜♪」
「しーちゃんの作った草サーンド〜♪
パックン♪パックン♪パック……ン……と………」

ガクッ

「どうかな?健康に良いから薬草入れてみたんだけど……ってセレネちゃん!?どうしたの急に倒れてッ!?時渉先生ぇえええ雪ちゃぁぁあんッ!!」





しーちゃんと替え歌で遊んでいた次の日。
僕が祓魔塾の廊下を歩いていると、麿眉さんとショートさんが話しかけてきた。
麿眉さんは頬を赤らめて、チラチラと此方を見ては目を逸らしモジモジとしている。

「ね、ねぇ…あんた……」
「ん?なぁに?」
「(出雲ちゃん小さくて可愛いもの好きだもんね。きっと小動物みたいって思ってるのかな?)出雲ちゃんファイト!」
「朴は黙ってて!!えっとその………………ポ、ポッキー食べる?」

そう言って、麿眉さんはポッキーをスッと鞄から取り出して僕に一袋渡す。僕はそれを見た瞬間キラキラと目を輝かせて笑う。

「わーいッ!!ありがとうお姉さんッ!!」

こ の お 姉 さ ん 良 い 人 ! !

僕の思考回路は、お菓子をくれる人は皆良い人とインプットされている。←危ない(笑)
流石にあからさまな怪しい人にはついていかないから安心してッ!!

「(かっ可愛…ッ!!)ほら。あ、あーん…」
「あーん パクッ はひはほー!」

お姉さんは更にもう一袋の方を開けて僕に食べさせてくれた。やっぱりお姉さん良い人ッ!!
何故かお姉さん悶えてるけどどうしたんだろう?

「そ…そういやあんた名前は?」
「僕?時渉セレネだよ、今年から中学生で12才!因みに時渉先生は僕のお姉ちゃんだよ。」
「あぁ、やっぱりお姉さんなんだ………って12才!?小学生かと思った………私は神木出雲。コッチは朴朔子、私の親友よ」
「イズモンとえっと……海苔子?」
「そんなクマ〇ンみたいなあだ名はやめて!ていうか宛字違うわよッ!!」
「じゃあいずにゃんとパックマン!」
「何処のアニメのツインテールよそれッ!!まぁ響きが可愛いから許すわ。でもパックマンは駄目よ、いつのレトロゲームよ。」
「むぅ……じゃあ無難に朔ちゃんで」
「ふふ、あだ名を考えるのが好きなんだね、宜しくねセレネちゃん!」
「うん、宜しくね!」

僕が二人に宜しくと言うと、イズモン改めいずにゃんは「宜しく」と小さく呟いた。いずにゃんはツンデレ属性なんだね、メフィスト好きそうだなぁこういう子。ツンデレツインテールの王道だし。
そう思いながらいずにゃんと握手をしようとしたその時、しーちゃんが此方へ駆けてきて僕らへ挨拶しようとする。
………あれ?いずにゃん機嫌悪くなった?
あ、しーちゃん転けちゃった。駄目だよ下駄で走ったらッ!!「廊下を走ってはいけません!」って塾長のメフィストから言われるよ!
盛大に転んだしーちゃんを見て、いずにゃんは「だっさ!!」と言って僕に教室へ行こうと催促する。

「ごめんねいずにゃん、僕しーちゃんと行くから先に朔ちゃんと行ってて!」
「……ふん、分かったわよ」

いずにゃんは拗ねて朔ちゃんと共に行ってしまった。なんで拗ねちゃったんだろう、僕何か言った?

「しーちゃん大丈夫?顔面からダイブしたせいで顔真っ赤だよ?」
「あれ、何やってんだよお前ら」
「あ、燐兄しーちゃんが……「なっ…なんでもないッ!!」え、でも…「なんでもないのッ!!」……分かった、言わないから僕の手くらいは取ってよ、地べたに座ったままは嫌でしょ?」

そう言って、僕はしーちゃんに手を差し伸べる。

「あっ…ありがとう……」

しーちゃんはきっと友達を早く作ろうと焦ってるんだ、燐兄が不器用だからしーちゃんに気持ち伝わってないだろうし。
僕は友達だって言ってるのになぁ……。
教室へ向かう燐兄達を見て、僕は後を追いかけながらそう思った。


(二人に頼ってばかりじゃ駄目だ、私は強くなるって決めたんだッ!!自分の力でお友達増やすんだ、目指せ友達百人!!)

…………百人という無謀な数を目指すしえみであった。


To be continued…
*H27.2/7 執筆。



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