MEDIUM | ナノ



I was always by my side



※この作品を読むにあたって
・現パロ、学パロ、年齢操作ありです
・サンジ以外のキャラも出てきます
・ヒロインに対するサンジの言葉使いが荒いです

※ 名前変更にて友達の名前を設定してからお読みください。

管理人の衝動的な妄想で描かれておりますので、キャラのイメージを崩したくない方はブラウザバックすることをお勧め致します。
それでも読んでくださる方はそのままスクロールをお願い致します。












私の幼なじみは世界一女たらしで、世界一照れ屋だ。
小学生の時から周りの女の子を褒めて回るのに、遠足の時女の子と手を繋ぐ時は顔を真っ赤にしていた。

それは高校生になったばかりの今も変わらず、女の子には誰構わず「おはよう〜!今日も可愛いなあ〜!」などとデレデレしていて呆れる。

高校生にもなったら男も女も恋がしたいお年頃な訳で可愛いなんて言われた女子は自分に気があるのかな、と少しでも思えばその相手を意識してしまうのは仕方ない事だ。

顔はまあまあイケメンだと思うし告白されている所を見るのも、私がアイツ宛てのラブレターを渡す代行を受ける事もしばしば。
それなのにサンジに彼女が出来たことは一度もない。

不特定多数と遊んでいるのかと思っていたが、放課後も休日もレストランでバイト三昧だし遊ぶ暇も女の影も無さそうだ。




「よう、名無し。」
「サンジ、おはよう。」

同じマンションに住んでる為、合わせている訳では無いが鉢合わせになることは少なくない。

「この間裏庭で告白されてたね。学年で三本の指に入るくらい可愛い子じゃん。」
「んあ?ああ、あの子な〜!可愛いよな〜!」
「...今回はOKしたの?」
「あーいや、断っちまった。」

何となく答えは分かっていたが、いやコイツの心理が分からない。
あんな可愛い子の告白を断るなんて。

「ねえ、彼女欲しくないの?サンジは。」
「彼女?俺は世界中のレディの物だか...」
「そうですか。」

何で遮るんだ、と怒るサンジは私の事を女の子として褒めてくれた事は無い。
小さい頃から一緒だったからだろう、女として見てないのは分かっていた。
言葉使いも態度も他の女の子とは全く違う。


だから私は中学三年になり自分の気持ちに初めて気づくと同時に、それを押し殺してそのまま胸の奥底へと追いやった。


「聞いてんのか?」
「え?ああ、ごめん眠くてぼーっとしてた。...じゃあ私先行くわー。」
「あ、おいっ...」

一緒に登校したら周りからどう思われるか。
サンジにその気が無くなって、彼に想いを寄せている女子からしたら良い気はしないだろう。
いつも鉢合わせになった時はなるべく距離をとるようにしている。




「名無し、おはー。」
「お友達、おはよう。」

教室に着くと中学もそして高校に入ってクラスが同じのお友達が携帯を弄っていて私が入ってくると手を振って挨拶してきた。
自分の机にカバンを置き彼女の席へと向かうと空いている後ろの席を借りて座った。

「今日も一人で来たの?」
「そうだよ...何回聞くの、それ。」

中学時代の私とサンジを知るお友達は2人で登校するのが当たり前に思っているようで、毎朝のようにこれを言ってくる。
あの時は毎朝サンジと一緒に登校してたから。

まだ幼稚だった私はサンジがモテることにあまり気づいてなかった。
そして、サンジの事を想う女の子の気持ちを分かっていなかった。
クラスが離れていて良かった、と高校の入学式に真っ先に思った。

「はあ〜、切ないねぇ。」
「...やめてよ。私はもういいの。」
「気持ち伝えるだけでもバチは当たらないんじゃないの?」

お友達は唯一、私の気持ちを知っている。
その気持ちを押し殺した事も。

「ただ臆病なだけだよ。ただでさえ女として見られてないのに、直接言葉で言われたら立ち直れない。」
「サンジ君の気持ちなんて、分からないじゃん。」
「分かるよ。」

ずっと傍で見てきたんだから。





「名無しーお昼ご飯たべよー。」
「うん。あ、ごめん私今日購買いく。」
「一緒に行こうか?」
「大丈夫、ありがとう。すぐ行ってくる。」

お昼の時間になり今日の朝お母さんが寝坊してしまったから、とお弁当の代わりに持たされたお金が入った財布をポケットに入れ購買部へ向かう。
そんなに混んでなくて良かった、と適当にパンと飲み物を買い踵を返した。



──ドンッ

「...っわ、」

人にぶつかってしまったと瞬時に分かると、少しよろけながらその人物を見上げた。

「悪い、大丈夫か?」
「あ、大丈夫です。こちらこそごめんなさい。」
「いや、良いんだ。」

少し長めの黒髪に頬のそばかすが印象的なその人は、制服をかなり緩めに着こなしており大きく開けられた襟に掛かるネクタイの色から先輩だと分かった。

少し怖くて頭を下げるとその場から逃げるように早足で教室へと戻った。




「ごめんお友達、お待たせ。はあ、怖かった...」
「どうしたの?」
「先輩にぶつかっちゃって...何か、見た目チャラそうな。」

その先輩の見た目を説明するとお友達に有名な先輩じゃん、と返される。
バスケ部のエースで名前もそのままエース先輩と言い、バレー部のお友達は体育館で一緒になるので存在は知っていたらしい。

「確かにイケメンだけどチャラそうだよね、あの人。」
「でも言葉遣いとかは優しかったかな。先に謝られたし...」
「へー。ジェントルマンじゃん、惚れた?」
「何で!?」

アンタの好みジェントルマンじゃなかった?と皮肉を言うと、いやアレはジェントルマンとは違うか?と自問自答をするお友達を差し置いて私はパンを口に含んだ。





「名無しちゃーん。お呼び出しだよー。」

食事を終え、お友達と雑談をしていた時だった。教室の入口からクラスメイトの女の子が私の名前を呼んだ。
そちらへ目をやると、先程ぶつかってしまったエース先輩がこちらへ手を振って立っていた。

「え、なんで...」
「...名無し、何やらかしたの?」
「だって私謝ったよ!?」

コソコソとお友達と話しながらもう一度入口へ視線を戻すと手招きしている先輩。

「ついて行こうか?」
「...大丈夫。でも何かあったら、すぐ電話するから助けに来てほしい。」
「...分かった、行ってらっしゃい。」

意を決して席を立つと、教室にいる人達の視線が刺さるのが分かった。
それをすり抜け先輩の前へ立つと、頭を下げた。

「あの、私何か...」
「ちょっと来てもらって良いか?」

良くないです、など言えるはずも無く、私は先輩の後を携帯を握りしめながらついて行った。





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