4 | ナノ
 



「ふふんふんふんふーぅん」


バレンタインには定番の歌を鼻唄で歌いながらやって来ました教室棟!
予想外に人が結構いる。
呼び出しの場所は教室とかなのかなぁ。
外寒いしね。

「ん?」

ふと自分の教室の前に出来てる人集りに目が行った。
何だ何だ?
もしかしてそこで公開セックスとか!?
皆顔赤らめて押し合い圧し合いで中覗こうとしてるしっ!
魁斗ーっ徠斗ーっ!ここにおいでーっ!
俺も好奇心に身を任せて近付いて人の隙間から中を覗いた。
嘘。何で?

「はや、て…?」

教室を覗いたら公開セックスとかはしてないけど人の中心には大量のチョコと疾風の姿があった。
そうだよ、疾風はモテるんだよ。
じゃあ、部屋に居なかったのはここで皆からチョコを貰う為?
……俺に、内緒で?

気付いたら俺は人集りから離れるように教室から走り去っていた。












「何だよ。疾風の馬鹿」

人が居なくなった所で疾風用に用意していたチョコの箱を紙袋から取り出す。
綺麗にラッピングされたリボンを外して廊下を歩きながらチョコを食べた。

「おいひい」

そうだよ。
疾風へのチョコが1番美味しいんだよ。
だって1番高かったんだもんっ!
1番、お世話になってるから…
お礼の為に渡そうと思ったのに勢いに任せて食べちゃった。
疾風が悪いんだっ!
本当は、1番に渡したかったのに…他の人からのチョコを先に貰うなんて。
全部食べてやるーっ!



「優?」

「へ?…蓮」

チョコを頬張ってたら目の前に蓮がいた。
いつの間に!
あっそうだ、蓮にもチョコ用意してるんだった!

「優、そのチョコ、何?」

何故か不機嫌そうに食べかけのチョコの箱を指差してる。
疾風用のをヤケ食いしましたなんて言えない。
直ぐに誤魔化すように紙袋から最後の1つのチョコの箱を取り出した。

「これは俺のおやつ。はいっ、蓮の分」

蓮は可愛いからテディベアチョコ!
ごめんなさいレンちゃん妄想しながら選んじゃったんだよねぇ。
流石にこれはダメだったかなぁ。
蓮固まっちゃった!


「優は選ぶチョコまで可愛いね。でも…」

最後のチョコをムシャコラしてたらチョコを持ってない方の手が俺のほっぺまで伸びてきたと思ったらそのまま唇を舐められた。
こっ、ここっ、学校!
周りには居ないけど人居るからっ!

「僕は、こっちの方が良い」

What?
こっちってどっち?
悩んでたら蓮の腕が腰に回ってきた。
ちょっ、力強っ!
逃げられない…!

「優、チョコを使って気持ち良い事しようね」

そっちか!
どどどうしようっ!
魅力的なお誘いなんだけどっ、今はそんな気分じゃぁああ…


「有栖川、手を離せ」








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