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「くっそぉっ。てめっ愛嘉ちゃんとイチャラブなバレンタイン過ごしやがってぇっ」

「あーうっせぇ」

充がうぜぇ。もう1ヶ月も前だっつーのにいまだに言ってくる。
こいつマジでしつこいし鬱陶しい…愛嘉の気持ちが少し分かった気がする。

「あーっ!ホワイトデーにお返し渡したら愛嘉ちゃんからチョコ貰えないかなーっ」

逆だろ。つかあいつがチョコを渡す訳がない。バレンタインの時俺から貰う気満々だったしな。
普通ネコの奴が渡すんじゃねぇの?まぁでも…1日中物欲しそうにしてた愛嘉はなかなか可愛かったような…ないな。
あんな平凡が可愛いわけねぇよ。笑えばそれなり…いやいや。

「で、お前愛嘉ちゃんにお返し用意したわけ?あの京が?」

「……」

その含みがある言い方はなんだ。それより充は俺が貰ったと思ってんのか。
ここで俺が愛嘉にチョコやったなんて言ったらバカにするに違いねぇ。
無視するか。

「ねー京くーん。愛嘉ちゃんからどんなチョコ貰ったの?スタンダードに生チョコ?でも可愛い愛嘉ちゃんならトリュフとか似合いそうだよねー。あっマカロンもかぁいい!」

「……」

「いやでも愛嘉ちゃんが用意するチョコなら何でも可愛い!板チョコすら愛おしい!くっそーっ、何で俺の分残してねぇんだよ!出せっ出せぇぇぇ!おら出せよぉっ!」

だあああああ!鬱陶しい!

「愛嘉が寄越すわけねぇだろっ!俺が渡したんだよっ!」

充のあまりの鬱陶しさにここが学校の廊下だっつー事も忘れて怒鳴ってた。
そして静まり返る廊下に充のバカ笑いが響き渡った。







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