2 | ナノ
 



ついにホワイトデーが来た。
……でももう放課後なのに優からお返しを貰ってない。
ていうか、今日1日優を見てない。
朝起きたら何故か優は居ないし学校にも来てない。おまけにいくらメールと電話しても連絡無し。
逃げた…なんて事はないよな。そこで1つの答えに辿り着いた。
優からお返しが貰えないあの馬鹿共の誰かが拉致ったに違いない。
バレンタインに俺が優を独占してかなり不服そうにしてたっけ…くそっ。
連れ戻すにもどこにいるか分からねぇし他の奴に犯されてるところなんか見たくねぇ。
こうなりゃ帰ってきた優をお仕置きっつって気が失うまで犯すしかねぇな。
あまりの苛立ちにいつもの冷静な装いも忘れて部屋へと戻った。



「おっ、おかえりっ、なさいっ」

「……その格好は?」

部屋に帰ると意外にも優がいた。
しかも何故か裸エプロン姿で苛立ちも忘れる姿にまじまじと眺めてしまう。

「結局、思い付かなくてそのっ…前に疾風が言ってたこと思い出して学校休んで買いに…」

フリフリがついた純白のエプロンをきゅって握り締めて恥ずかしそうにもじもじして俯いてる。
でもその表情が見たくて顎を掴んでこっちを向かせた。

「何を思い出したんだ?」

「し…新婚さんごっこ、したいって…」

そういやこないだエロゲしてる最中に言ったかも。だってあんな画面越しの女より優の方がずっと可愛いしエロイ。
でもまさかそれを覚えてるなんて。

「疾風っ」

「何?」

俺から少し離れて顔を真っ赤にしたまま俺を見上げる。
潤んだ瞳で見られると興奮してもっと泣かせたくなる。

「お…お風呂にする?ご飯にする?そ、それとも…優に、する?」

あの時の女と同じ台詞を紡ぐ。
うん、やっぱ優の方が何倍も興奮する。
細いと言うよりひょろい体を抱き上げてキスを交わした。

「んっんぅっ…」

「勿論、優に決まってるだろ?」

これでご飯にするって言ったらどうするつもりだったんだろ。でもこんなに可愛い優を見て我慢出来るはずがない。

「じゃあ早速」

「こっここで!?」

「そっか、新婚さんだしやっぱキッチンだな」

これからもやりたい事があれば然り気無く優の前で言おう。
何回も唇を重ねてキッチンへと向かった。



fin.







back


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -