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『優くんあのね、優くんの為に用意したの。良かったら…食べて?』

白くて柔らかそうなほっぺを赤く染めて首を傾げるハヤテちゃん。不安そうに俺を見上げてくるハヤテちゃんはマジ天使だ。
むしろハヤテちゃんが欲しいハヤテちゃんを食べたい!
チョコより甘いハヤテちゃんギブミィィィィ!!


なんて、初っぱなからトリップかましちゃった。テヘッ。
だって今リアルに戻りたくないんだもん。

「ほら、優の為に用意したんだぞ。早く、あーん」

あーん、じゃねぇぇぇっ!
俺は疾風に馬乗りされてる状態inマイルーム。ちなみに全裸で。
そして目の前には見た目おいしそうなチョコ。
おかしいってこの状況!



それは遡ること数日前のこと。

「疾風っていっぱいチョコ貰うんだよね?いいなー」

「そう?…優、欲しい?」

「うんっ。チョコ貰うのって憧れる!」

まぁリアルに女子からチョコ渡されそうになったらトラウマ発動して逃げるけどね!
中学の時クラスの女子に渡されたチョコときたら…おっと、今はその話じゃないよ俺。そして忘れるんだっ!
まぁ告白されたいとかじゃなくてただ純粋にチョコを貰ってみたいんだよー。二次元のハニーたちからは貰ってるんだけどね!液晶が邪魔で受け取れないけどさっ!

「じゃあ、今年は俺から優にチョコあげるよ」

「えっ、ホント!?」

やった!去年に引き続き今年も貰うことはないって思ってたから嬉しい!
どんなチョコかは当日までのお楽しみってことになって俺は今日まで、胸をドキドキさせて楽しみにしたさ。


「優、食べろ」

「ひっ…」

それなのに用意されたチョコがまさか、ガラナチョコだなんてぇぇ!
しかも何で全裸で縛られちゃってんの!?
縛るの両手首だけなら何で脱がすんだよ!って、野暮なことは言わないよ。俺学習したよ。

ぶっちゃけ、もう流されちゃおうかなーとか思ってるけど…自分からノリノリで食べちゃうとか、恥ずかしいじゃん?だってガラナチョコだよ?
そこっ、今更とか言わないの!

「仕方ないなぁ」

疾風の声にビクッてして見上げてみたらちょー笑顔。
嫌な予感しかしない。
そんな予感当たってほしくないのに今までの経験上当たっちゃうんだよ!
疾風は俺から目を逸らさずにチョコを口に放り込むと強引にキスしてきた。







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