3 | ナノ
 



キッチンを覗いたらカボチャの天ぷらにカボチャの煮物…あと炊き込みご飯にカボチャが入った味噌汁。
見事にカボチャづくしの和食だな。
ハロウィンなら洋食とか洒落たやつじゃない?普通。
でも俺もすっかり和食派になったからどれも美味しそう。

「つまみ食いするなよ」

「分かってるよ。これも運ぶ?」

「おう。食後にカボチャプリンも作ったから後で食うか」

にっと歯を覗かせて笑ってるけどちょっと驚いて味噌汁を溢しそうになった。
カボチャプリンも作った?

「作れたの?カボチャプリン」

「茶碗蒸しに作り方似てるからな」

似てるの?ていうか茶碗蒸しって家で気軽に作れるの?知らなかった…
デザートもあるなら楽しみだな。ほんとカボチャづくしだ。

料理も運んで座ってご飯を食べてたら京がカボチャの置物の顔をこっちに向けてニヤニヤ笑ってる。

「これ、お前を意識して作ったんだぞ。似てんだろ?」

「……似てない。俺はそんな生意気な顔じゃない」

でも言われてみたら笑う時こんな口になってそうな…いや、俺じゃない!
それなのに似てるってまだ笑ってるし。三ツ又奪い返してまたつついてやるからな!
そう心に念じて美味しいご飯を黙々と食べてハロウィンを楽しんだ。
今年のハロウィンは今までで1番楽しいハロウィンになった。



「愛嘉」

「ん?何?」

「Trick or Treat.」

「残念。お菓子用意忘れたからいっぱい悪戯して?」




Fin.








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