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:: 好きな人とは友達


 さっき、12月末から短期間付き合っていた彼女とのことを綴った日記を見つけた。ハグをして、キスをして、手を握りしめて、髪を撫でて、いろんなところを触って、耳元で愛の言葉をささやきあったことが、情熱的な表現で書かれていた。今、冷めた気持ちで改めて読むと、その記憶にさえ萎えてしまった。当時の自分は他の何物でもなく、恋愛に酔っていただけ、性欲に溺れていただけだった。「好き」という言葉がたまらなく心地よくて、二人の世界に閉じこもった。相手の愛情に対して責任を取るような度胸もないくせに、飾り立てた言葉を並べ立てて、こっちを蕩けたような目で見つめる瞳が欲しかった。

 今になって、あの子は自分にとって大した存在でもなかったな、って思う。それが最低なのは分かってる。もちろん長い間待ってくれたその人の心を、これ以上ない程に深く傷つけてしまったのもわかってる。だけど、こんな男に惚れたバカは向こうなのだから、それを切り捨てたところで自分に何の責任もないんだ、と思っている自分がいる。

 そうやって、いつもいつも性欲や被承認欲求に狂わされている。思わせぶりな態度を取って、相手がすり寄ってきたところで身を引く。結局は、求められたいだけ。人にちやほやされることが好きでもなく、大勢で一緒にいることが心地いいわけでもない。単に、他人の誰にも見せていない領域に踏み込んで掻き乱しているだけ。自分にしか見せない顔を見て喜んでいるだけ。その人にとっての特別であろうとするあまり、大して好きでもないのに思わせぶりな言葉を吐いて擦り寄らせて。そのくせ、自分の中にある誰にも踏み込まれた領域には、立ち入らせるのを拒否してる。

 友達として、超えてはいけない一線があると思う。精神的な繋がりが欲しいのなら、中途半端に肉体的な交わりをするべきではない。甘えてはいけない。人は、蕩けるようなキスをした後で、どうしても孤独を抱きしめてしまう。人を深く知ろうとすればするほど、絶対的に分かり合えないという事実に直面し、絶望していく。肉体的な繋がりを持ってしまえば、互いの温度差を感じ、分かち合いも単なる思い込みに過ぎないことに気付いてしまうだろう。

 だから、「本当に大切な人は友達ぐらいでちょうどいい」と、別れるたびに心から思う。嫉妬や束縛、そういったものとは無縁の関係。たまに会って下らないことを話して、夜になればそのままバイバイできる関係。少しの愛情はあっても構わないけれど、その感情は決して実らせてはいけない。刹那の快楽に甘えてはいけない。誰かと繋がる心地よさに、溺れてしまってはいけない。

 そういった「友達」を数人作っておくことが、孤独を回避する最良の手段なんだろう。逆に、そういう友達に手を出すことこそが、自分の首を絞め深い孤独の淵へと貶めることになる。本当に大切な人と、真正面から向き合ってはいけない。今はそう自分に言い聞かせたい。

でも、結局また「同じパンチ」くらっちゃうんだろうな…  人生の不思議。


2013/04/18 21:16


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