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:: 接吻という媚薬。


 最近いろんな女性と話をしていて、キスの媚薬性について思いを巡らせる。ただ官能的な幸福感に包まれて、もっともっと欲しくなってしまう。たとえそれがいわゆる「恋」ではなかったとしても、何故か人はキスへの欲望から逃れることが出来ない。どうしてか、欲しくなってしまう。唇を重ねて舌を絡めて、悦楽に浸る一時の喜びに身を任せたくなる。何がどうなってもいい。ただキスがしたい。そういう衝動は、一度深いキスをしたことがある人なら感じたことがあると思う。

 キスは媚薬みたいなものだ。優しく唇を重ねていると頭の中で蜜が垂れたように甘いものが広がって、何も考えられなくなる。口の中で糊付けされたみたいに、苦しくても話すことが出来なくなる。自分がいなくなったみたいで、相手もいなくなったみたいで、ただ卑猥な水音と一緒に官能的な喜びに襲われる。温もりも香りも肌触りも、五感のすべてがおかしくなったように感じる。

 貪る。そんな言葉がぴったり合うように、自分という存在が溶けていきそうになる。私を求めてくれている、そんな喜びでいっぱいになって、失う恐怖を押し殺すようにさらに唇を重ねる。いじらしくて泣きそうになる。気持ち良くて笑いそうになる。様々な感情が寄せては返し、何も考えられなくなる。ほしい、ほしい、ほしい。抱き合ってキスを交わすことに、文字通り溺れていく。


2013/05/09 20:49

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